Q&A  タイミングベルト・タイミングプーリ

お客様から寄せられました「よくある質問」をQ&A形式で掲載しています。質問をクリックして回答へお進みください。

タイミングベルト

Q&A内で語句

Q1 タイミングベルトの取付時に張力を与える理由は?
Q2 取付張力の与え方は?
Q3 取付張力の確認方法は?
Q4 取付張力を測定する箇所は?
Q5 取付張力の最小値は?
Q6 タイミングプーリのアライメント調整の必要性は?
Q7 タイミングベルトの伸びとは?
Q8 どのような状態になったときにタイミングベルトは寿命と判断するのか?
Q9 タイミングベルトが切断する前に寿命を察知できるか?
Q10 タイミングベルトが寿命に至る時間は?
Q11 かみ合い歯数が6歯以上必要な理由は?
Q12 伝動能力表の着色部分の意味は?
Q13 サーボモータを使用する場合の注意点は?
Q14 カタログに記載がある標準幅以外のものは製作が可能か?
Q15 製作ができる最小幅は?
Q16 カタログに記載されていないベルト長さのものは製作が可能か?
Q17 「ウルトラPXベルト耐油仕様」はあらゆる油種に対して効果があるか?
Q18 油周り・水周りの雰囲気で使用できるのか?
Q19 タイミングベルトが使用可能な雰囲気温度は?
Q20 他社品との互換性はあるか?
Q21 使用前に注意しておくことは?
Q22 タイミングベルトをタイミングプーリに取付けるときの注意点は?
Q23 タイミングベルトの使用雰囲気で注意することは?
Q24 タイミングベルトの保管で注意することは?
Q25 騒音の種類は?
Q26 騒音の対策は?
Q27 RoHS指令に対応しているか?
Q28 タイミングベルトの伝動効率はどのくらいか?
Q29 タイミングベルトの早期切断
Q30 タイミングベルトの歯の摩耗
Q31 タイミングベルトの歯飛び
Q32 タイミングベルトの歯のせん断破壊
Q33 タイミングベルト側面のムシレおよび摩耗
Q34 タイミングベルト歯面の縦列キズ
Q35 タイミングベルトの部分的切断
Q36 タイミングベルトの膨潤
Q37 タイミングベルトの見かけ上の伸び
Q38 タイミングベルト背面のゴムの粘りあるいは軟化
Q39 タイミングベルト背面ゴムの摩耗
Q40 タイミングベルト背面のゴムの亀裂
Q41 タイミングプーリの歯部の摩耗

テンションメータ

Q42 測定可能範囲は?
Q43 購入する前に使ってみたいが、貸出はしているのか?
Q44 校正はしてもらえるのか?
Q45 校正適正期間は?

ベルトクランプ

Q46 材質は?
Q47 カタログ記載品以外の特注品は製作可能か?
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Q1 タイミングベルトの取付時に張力を与える理由は?
A1

タイミングベルト伝動では、力が作用するピッチセンターラインがタイミングプーリの歯先より外側にあるため、適切な張力を与えることで伝動が可能になります。

通常の伝動用途での取付張力はカタログ記載の推奨値を目安に設定していただくことが望ましいです。

また、位置決め精度を重視される用途の場合は、カタログ記載の最大値を上回らない範囲で高めに設定してください。

なお、負荷の状況や装置の都合により、推奨値を下回る取付張力を設定する場合は、振動や騒音が増大しないか、歯飛びなど伝動に不具合が生じていないかをご確認しながら設定してください。

取付張力が過度に高い場合や低い場合は、タイミングベルトの早期破損の原因になります。

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Q2 取付張力の与え方は?
A2

いずれかの軸を移動して調整する方法が望ましいですが、調整用のアイドラを設けるという方法もあります。

アイドラは、原則としてタイミングベルトのゆるみ側に設置して、調整後に固定できるようにしてください。

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Q3 取付張力の確認方法は?
A3
  1. ①つばきベルトテンションメータT-ACE®の利用

    ベルトの固有振動数を利用して測定する音波式ベルト張力計「つばきベルトテンションメータT-ACE®」を利用すると簡単で正確に確認することができます。

  2. ②タイミングベルトを押して生じるたわみ量で確認する方法があります。
    1. アイドラ軸を含めて、すべての軸の平行度及びプーリのアライメントを正確に出します。
    2. タイミングベルトのスパンの中央に押付力(F)を加えます。
    3. タイミングベルトのたわみ(δ)がスパン100mm当たり1.6mmになるように張力を与えます。
取付張力
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  • 取付張力
    取付張力
    F:スパンtの中央におけるたわみ(δ)に必要な押付力 N{kgf}
  • Ti:取付張力 N{kgf}
  • Y:補正係数
  • δ:たわみ mm=0.016t
  • t:スパン長さ mm
  • C:軸間距離 mm
  • Dp:大プーリピッチ円直径 mm
  • dp:小プーリピッチ円直径 mm
  • L:ベルト長さ mm
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Q4 取付張力を測定する箇所は?
A4

2軸(タイミングプーリが2個)の場合は、スパンの中央で測定してください。

多軸(タイミングプーリ・アイドラが3個以上)の場合は、スパンが一番長い箇所で測定してください。より安定した測定ができます。

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Q5 取付張力の最小値は?
A5

歯飛びをしない程度まで取付張力を下げることは可能です。歯飛びの発生は使用条件によって異なりますので、実機でご確認ください。

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Q6 タイミングプーリのアライメント調整の必要性は?
A6

タイミングベルトは、タイミングプーリのアライメントが正しい場合でもタイミングプーリの中央で走行せず、どちらかに片寄る性質があります。

その力は非常に弱いものですが、タイミングプーリのアライメントが悪いと、タイミングプーリの端に寄って走行し、ガイドフランジに強く押し付けられて損傷、切断する可能性があります。

また、ガイドフランジが脱落する可能性があります。

タイミングプーリのアライメントは下表の許容差内に調整してください。

ベルトサイズ 全品種
ベルト幅 mm 30以下 30~50 50~100 100以上
許容平行度 5/1000以下 4/1000以下 3/1000以下 2/1000以下
θ分 17以下 13以下 10以下 6以下

プーリ調整方法
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■プーリ調整方法

図のように基準となるプーリにストレートエッジをあて、他のプーリをストレートエッジ全面に接触させること(ε=0とする)によりプーリを正しい位置に並べることができます。

また図のδを限度以下とすることにより軸の平行度を同時に出すことができます。

プーリ調整方法
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Q7 タイミングベルトの伸びとは?
A7

タイミングベルトで発生する伸びには2種類あります。

  1. ①弾性伸び(荷重伸び)

    タイミングベルトに負荷をかけた時に生じる可逆的な伸びです。かけられている負荷を取り除くと元に戻ります。

  2. ②永久伸び(運転伸び)

    タイミングベルトにかけられている負荷を取り除いても元に戻らない伸びです。主に初期のなじみや摩耗によって発生します。

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Q8 どのような状態になったときにタイミングベルトは寿命と判断するのか?
A8

適切に選定されたタイミングベルトでは歯布の摩耗が進行し、その後にベルト歯の欠落が発生します。

また、タイミングプーリの径が小さい場合や多軸レイアウトで屈曲が多い場合には、心線の屈曲疲労から切断に至ることもあります。

これらのように、タイミングベルトが正確にタイミングプーリとかみ合って伝動する機能が失われたときを寿命としています。

タイミングベルトは定期的に点検し、外観に傷などの異常や歯布の摩耗が認められた場合は、ベルト歯の欠落・タイミングベルトが切断する前に交換してください。

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Q9 タイミングベルトが切断する前に寿命を察知できるか?
A9

寿命は振動や騒音となって現れることがありますが、微妙なものもあり、事前に察知することは困難です。

タイミングベルトを定期的に点検して傷などの異常や歯布の摩耗が認められた場合は、ベルト歯の欠落や破断する前に交換してください。

つばきウルトラPX®ベルトは、歯布の摩耗がゴムの露出で確認しやすくなっていますので、交換の判断が容易にできるようになっています。

使用前

使用前

使用経過後

使用経過後
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Q10 タイミングベルトが寿命に至る時間は?
A10

タイミングベルトは金属製ではないため疲労限度がなく、使用しているうちに疲労・摩耗が発生して、破損に至ります。

また、使用される条件・レイアウトによって耐久時間が大きく異なってくるため、寿命に至る時間を特定するのは大変困難です。

当社では材料の経年変化を考慮して最大でも5年での交換をお勧めしています。

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Q11 かみ合い歯数が6歯以上必要な理由は?
A11

金属製のチェーンやギヤと異なりタイミングベルトの歯はナイロン織布で覆われたゴム材ですので、1歯だけでの伝動には適しておらず、複数歯で負荷を受ける必要があります。タイミングプーリとのかみ合い歯数が6歯未満だと1歯当たりの負荷が大きくなり歯欠けの原因になります。

かみ合い歯数が5歯もしくは4歯になってしまう場合は、カタログ記載の「かみ合い補正係数」を加えて選定してください。

駆動プーリの場合、かみ合い歯数が6歯以上でかみ合い角度が120度以上になるようご検討をお願いします。

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Q12 カタログに記載されている伝動能力表の着色部分の意味は?
A12

この部分の組合せは小径プーリが高速で回転する条件になるため、タイミングベルト内部にある心線の屈曲疲労が促進されて寿命が短くなりますので使用を避けてください。

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Q13 サーボモータを使用する場合の注意点は?
A13

タイミングベルトの周速が速い場合、以下の現象が起こる可能性があります。

  1. ①タイミングベルトに発生する遠心張力により伝動能力が低下する場合があります。
  2. ②寿命が短くなる場合があります。
  3. ③タイミングプーリの速度が33m/s以上になる場合、振れや振動の発生が懸念されますのでバランスをとってください。

タイミングベルトを選定される際は、サーボモータの特性を考慮してトルクから検討することをお勧めしています。

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Q14 カタログに記載がある標準幅以外のものは製作が可能か?
A14

製作可能なベルト幅もありますので、当社問合せ窓口もしくは取扱販売店へお問合せください。

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Q15 製作ができる最小幅は?
A15

タイミングベルトの全高さの1.5倍が目安ですが品種によって異なりますので、当社問合せ窓口もしくは取扱販売店へお問合せください。

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Q16 カタログに記載されていないベルト長さのものは製作が可能か?
A16

エンドレスのタイミングベルトは金型を使って製作しますので、カタログに記載されていないベルト長さのものは製作ができません。

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Q17 「ウルトラPXベルト耐油仕様」はあらゆる油種に対して効果があるか?
A17

「ウルトラPXベルト耐油仕様」の耐油性は、一般的な潤滑油や切削油を使用した当社での各種試験結果に基づくものですので、すべての油種や使用条件等に対する耐性を保証しているものではありません。

個別の油種や使用条件に関する適用可否は、実機でご確認いただくかまたは当社までお問合せください。

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Q18 油周り・水周りの雰囲気で使用できるのか?
A18

一般に、タイミングベルトに油や水が付着すると膨潤してタイミングプーリとかみ合わなくなり伝動能力の低下や早期破損の原因になります。特に油中や水中では使用できません。

当社では油や水がミスト状の環境下での耐久性を高めた「ウルトラPXベルト耐油仕様」「PXベルト耐水仕様」をラインアップしています。

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Q19 タイミングベルトが使用可能な雰囲気温度は?
A19

-15℃~80℃の通常の環境下でご使用ください。一定の条件下で90℃まで使用可能なタイミングベルトもあります。

詳細は当社問合わせ窓口までお問合せください。

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Q20 他社品との互換性はあるか?
A20

「PX歯形」は当社独自の歯形で他社との互換性はありませんので、つばきタイミングプーリとセットで使用してください。

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Q21 使用前に注意しておくことは?
A21

注意点をまとめてカタログ「タイミングベルト伝動」に掲載しています。「取扱説明」のページをご使用前に必ずお読みください。

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Q22 タイミングベルトをタイミングプーリに取付けるときの注意点は?
A22

タイミングベルトは力を加えてもほとんど伸びません。

タイミングプーリに取付けるときはプーリ軸・アイドラ軸を移動させて取付けてください。

無理にタイミングプーリのガイドフランジを乗り越えさせようとするのは事故の原因になりますので避けてください。

アイドラを使用しない2軸伝動では、軸間距離調整しろを設けておいてください。

■2軸伝動の軸間距離調整しろ

単位:mm
ベルト長さ 種類
P2M・P3M・P5M
UP3M・UP5M
P8M・P14M
UP8M・UP14M
△Co 500以下 3 3
500~1000 5 5
1001~2000 10 10
2000以上 15 15
△Ci 共通 10 15
2軸伝動の軸間距離調整しろ
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Q23 タイミングベルトの使用雰囲気で注意することは?
A23

清浄な雰囲気中で使用してください。

多量の水、油、溶剤がかかる恐れがある、埃が多い雰囲気中で使用される場合はカバーをしてタイミングベルト・プーリを保護してください。空気中に水分、油分が多い雰囲気では「ウルトラPXベルト耐油仕様」、水分が多い雰囲気では「PXベルト耐水仕様」が使用可能な場合がありますのでご検討ください。

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Q24 タイミングベルトの保管で注意することは?
A24
  1. ①温度が-10℃~40℃の乾燥した室内で保管してください。また、直射日光が当たらないようにしてください。
  2. ②タイミングベルトは小さく折り曲げないでください。小さい径に折り曲げると内部にある心線が折れて性能が著しく損なわれます。曲げ限度の直径はピッチの4倍です。
曲げ限度の直径はピッチの4倍です。
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Q25 騒音の種類は?
A25

一般的には次の通りです。

  1. ①タイミングベルト歯底部がタイミングプーリ歯先部に衝突するときに発生する衝撃音
  2. ②タイミングベルトの弦振動音
  3. ③タイミングベルトの歯がタイミングプーリの歯溝と擦れあいながらかみ合うことにより発生する摩擦音
  4. ④タイミングベルト側面とタイミングプーリのガイドフランジが擦れたときに発生する摩擦音
  5. ⑤タイミングベルトとタイミングプーリがかみ合った時、タイミングプーリ歯溝の空気が吐出される際に発生する空気吐出し音
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Q26 騒音の対策は?
A26
  1. ①取付張力・プーリ回転速度・ベルト長さ・ベルト幅・プーリ歯数などを変更して、タイミングベルトの固有振動数を変化させる。
  2. ②高強度タイミングベルトに変更してベルト幅を狭くする
  3. ③ベルト幅を狭くして多列掛けに変更する。
  4. ④タイミングプーリのアライメントを調整してタイミングベルトがガイドフランジに接触しないようにする
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Q27 RoHS指令に対応しているか?
A27

RoHS指令に対応しています。

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Q28 タイミングベルトの伝動効率はどのくらいか?
A28

最大で98%程度です。

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Q29 タイミングベルトの早期切断
A29
外観の特長

[外観の特長]

ベルト歯に対して平行に切断している。心線も短く揃って切断している。

[推定原因]

  1. ①保管時や組付時に過度に折り曲げたために心線が破断していた。
  2. ②プーリ径が小さ過ぎたため心線が破断した。

[対策]

  1. ①保管時や組付時の取扱いに注意して過度に折り曲げないようにしてください。ピッチの4倍以下の直径に折り曲げないでください。
  2. ②タイミングプーリ、アイドラの径が適切か確認して、小さすぎる場合は適正な径のものに変更してください。タイミングプーリの径は伝動能力表で、アイドラの径は下の表で確認してください。
曲げ限度の直径はピッチの4倍です。
  • 内側アイドラ......下表の最小プーリ歯数以上のタイミングプーリとします。
  • 外側アイドラ......下表のプーリのピッチ円直径の1.2倍以上でクラウンのない平プーリとします。

■アイドラ選定時の最小プーリ歯数

種類 回転速度 r/min
900以下 900をこえ
1200以下
1200をこえ
1800以下
1800をこえ
3600以下
P2M 16 16 18 20
P3M・UP3M 14 14 16 18
P5M・UP5M 18 20 24 28
P8M・UP8M 24 26 26 28
P14M・UP14M 28 28 28 34

注)3600r/minをこえる場合は基準伝動容量表を参照ください。

内側アイドラ

内側アイドラ

外側アイドラ

外側アイドラ

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Q30 タイミングベルトの歯の摩耗
A30
外観の特長 外観の特長

[外観の特長]

  • 歯布の毛羽立ち、白っぽく変色、布目が不明瞭になるなどしている。
  • 歯布が摩耗し、ゴムが露出している。
  • ベルト歯がやせ細る。
  • ベルト歯底の歯布が摩耗し、心線が露出している。

[推定原因]

  1. ①過負荷(オーバーロード)の発生。
  2. ②取付張力過大。
  3. ③取付張力不足。
  4. ④タイミングベルトの能力不足。
  5. ⑤タイミングプーリの歯形もしくは歯部の寸法不良。
  6. ⑥粉塵雰囲気での使用。

[対策]

  1. ①原動機の仕様、被動機の慣性、使用条件を確認してオーバーロードの原因を取り除く、あるいはタイミングベルト・プーリをサイズアップしてください。
  2. ②適正な取付張力に調整してください。
  3. ③適正な取付張力に調整してください。
  4. ④使用条件を確認して最適なサイズのタイミングベルト・プーリを選定してください。
  5. ⑤正しい歯形・寸法のタイミングプーリと交換してください。
  6. ⑥雰囲気の改善、カバーの設置などでタイミングベルト・プーリに粉塵が付着しないようにしてください。
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Q31 タイミングベルトの歯飛び
A31

[推定原因]

  1. ①過負荷(ショックロード)の発生。
  2. ②取付張力不足。
  3. ③タイミングプーリとのかみ合い歯数の不足。
  4. ④架台の剛性不足。

[対策]

  1. ①ショックロードの原因を取り除く、または衝撃緩和機構を設ける。あるいはタイミングベルトをサイズアップしてください。
  2. ②適正な取付張力に調整してください。
  3. ③タイミングプーリの歯数を増やす、あるいはアイドラを設けてかみ合い歯数を増やしてください。
  4. ④架台の剛性をあげてください。
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Q32 タイミングベルトの歯のせん断破壊
A32

[外観の特長]

  • ベルト歯の歯元にクラックが発生。
  • ベルト歯が欠落している。

[推定原因]

「Q30タイミングベルトの歯の摩耗」「Q31タイミングベルトの歯飛び」の推定原因と同じ。これらの状況が続いた結果、せん断破壊に至る。

[対策]

「Q30タイミングベルトの歯の摩耗」「Q31タイミングベルトの歯飛び」の対策と同じですのでご参照ください。

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Q33 タイミングベルト側面のムシレおよび摩耗
A33
外観の特長

[外観の特長]

  • 側面の角がとれて丸みを帯びている。
  • 側面のゴムがむしりとられたような状態になっている。
  • 心線がほつれて露出している。

[推定原因]

  1. ①軸の平行度不良。
  2. ②タイミングプーリの整列不良。
  3. ③架台の剛性不足。
  4. ④タイミングプーリのガイドフランジの変形。

[対策]

  1. ①軸の平行度を正しく調整してください。
  2. ②タイミングプーリを正しい位置に調整してください。
    ベルトサイズ 全品種
    ベルト幅 mm 30以下 30~50 50~100 100以上
    許容平行度 5/1000以下 4/1000以下 3/1000以下 2/1000以下
    θ分 17以下 13以下 10以下 6以下

    プーリ調整方法
    [クリックで拡大]

    ■プーリ調整方法

    図のように基準となるプーリにストレートエッジをあて、他のプーリをストレートエッジ全面に接触させること(ε=0とする)によりプーリを正しい位置に並べることができます。

    また図のδを限度以下とすることにより軸の平行度を同時に出すことができます。

    プーリ調整方法
    [クリックで拡大]

  3. ③架台の剛性をアップさせてください。
  4. ④新品に交換してください。
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Q34 タイミングベルト歯面の縦列キズ
A34
外観の特長

[外観の特長]

  • ベルト歯に対して垂直方向にキズがある。

[推定原因]

  1. ①タイミングプーリ端部にはみだしての走行。
  2. ②タイミングプーリのガイドフランジへの乗り上げ。

[対策]

  1. ①軸の平行度かタイミングプーリの位置が狂っているので正しい位置に調整してください。
  2. ②軸の平行度かタイミングプーリの位置が狂っている場合は正しい位置に調整してください。

    取付張力を確認して、不足している場合は適正な取付張力に調整してください。

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Q35 タイミングベルトの部分的切断
A35
外観の特長

[外観の特長]

  • 部分的に切断している。
  • 切断部以外の歯面にキズが見受けられることもある。

[推定原因]

  1. ①タイミングプーリのガイドフランジへの乗り上げ。
  2. ②異物のかみ込み。

[対策]

  1. ①軸の平行度かタイミングプーリの位置が狂っている場合は正しい位置に調整してください。

    取付張力を確認して、不足している場合は適正な取付張力に調整してください。

  2. ②タイミングベルト・プーリに異物が付着しないように、雰囲気の改善、カバーの設置などをしてください。
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Q36 タイミングベルトの膨潤
A36
外観の特長

[外観の特長]

  • ゴムが膨れ上がっている。

[推定原因]

  • タイミングベルトに付着した油分・水分をゴムが吸収した。

[対策]

  • タイミングベルトに油分・水分が付着しないように、雰囲気の改善、カバーの設置などをしてください。
  • 「ウルトラPXベルト耐油仕様」への置換えが可能な場合がありますので検討をお願いします。
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Q37 タイミングベルトの見かけ上の伸び
A37

[推定原因]

軸の移動による軸同士の接近。

[対策]

軸を強固に固定してください。

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Q38 タイミングベルト背面のゴムの粘りあるいは軟化
A38
外観の特長

[外観の特長]

  • タイミングベルトの背面に軟化したゴムが付着している。
  • タイミングベルトのゴムに粘着性がある、あるいは柔らかくなっている。

[推定原因]

  1. ①タイミングベルトに油分が付着し、それをゴムが吸収した。
  2. ②高温雰囲気での使用。
  3. ③外側アイドラの回転不良

[対策]

  1. ①タイミングベルトに油分が付着しないように、雰囲気の改善、カバーの設置などをしてください。

    「ウルトラPXベルト耐油仕様」への置換えが可能な場合がありますので検討をお願いします。

  2. ②雰囲気温度を下げて80℃以下にしてください。
  3. ③アイドラが回転するように調整してください。例:アイドラの慣性を小さくする、ベアリングのサイズを大きくする。
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Q39 タイミングベルト背面ゴムの摩耗
A39

[外観の特長]

  • 背面に端面と平行に窪みができている。
  • 背面のマークが消えている、あるいは消えそうになっている。

[推定原因]

  1. ①外側アイドラ軸のアライメント不良。
  2. ②外側アイドラの回転不良。

[対策]

  1. ①軸の平行度が狂っているので正しい位置に調整してください。
  2. ②アイドラが回転するように調整してください。例:アイドラの慣性を小さくする、ベアリングのサイズを大きくする。
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Q40 タイミングベルト背面のゴムの亀裂
A40
外観の特長

[外観の特長]

  • タイミングベルト背面に歯と平行に亀裂が入っている。

[推定原因]

  1. ①使用しているタイミングプーリもしくはアイドラ径が小さすぎる。
  2. ②使用雰囲気温度が高温もしくは低温すぎる。

[対策]

  1. ①タイミングプーリ、アイドラの径が適切か確認して、小さすぎる場合は適正な径のものに変更してください。

    (タイミングプーリの径は伝動能力表で、アイドラの径は下の表で確認してください。)

    • 内側アイドラ......下表の最小プーリ歯数以上のタイミングプーリとします。
    • 外側アイドラ......下表のプーリのピッチ円直径の1.2倍以上でクラウンのない平プーリとします。

    ■アイドラ選定時の最小プーリ歯数

    種類 回転速度 r/min
    900以下 900をこえ
    1200以下
    1200をこえ
    1800以下
    1800をこえ
    3600以下
    P2M 16 16 18 20
    P3M・UP3M 14 14 16 18
    P5M・UP5M 18 20 24 28
    P8M・UP8M 24 26 26 28
    P14M・UP14M 28 28 28 34

    注)3600r/minをこえる場合は基準伝動容量表を参照ください。

    内側アイドラ

    内側アイドラ

    外側アイドラ

    外側アイドラ

  2. ②雰囲気温度をタイミングベルトが使用可能な-15℃~80℃に改善してください。
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Q41 タイミングプーリの歯部の摩耗
A41
外観の特長

[外観の特長]

  • タイミングベルトとのかみ合い部分が摩耗していて、かみ合っていない部分と段差ができている。
  • 歯面が荒れている。

[推定原因]

  1. ①タイミングプーリの材質が不適切。
  2. ②粉塵がある雰囲気で使用していて、タイミングベルト・プーリに摩耗性がある粉塵が付着した状態で運転していた。
  3. ③タイミングベルトの取付張力が高すぎた。

[対策]

  1. ①硬度の高い材料に変更する、歯面硬化あるいは表面処理を施して耐摩耗性を向上させてください。
  2. ②使用雰囲気を改善する、もしくは粉塵が付着しないようなカバーを設置してください。
  3. ③適正な取付張力に調整してください。
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Q42 測定可能範囲は?
A42

タイミングベルトの振動数でBDTM101は30~600Hz、BDTM201は10~5000Hzです。
測定スパンが短すぎるもしくは長すぎるレイアウトの場合は、振動周波数が測定可能範囲外になり測定できないことがあります。

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Q43 購入する前に使ってみたいが、貸出はしているのか?
A43

デモ機の貸出をおこなっています。詳細は当社問合せ窓口へお問合せください。

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Q44 校正はしてもらえるのか?
A44

有償で承っています。当社商品取扱い販売店へご照会ください。

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Q45 校正適正期間は?
A45

校正周期はお客様の基準やご判断で設定をお願いします。

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Q46 材質は?
A46

高力アルミニウムに白アルマイト処理をしています。

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Q47 カタログ記載品以外の特注品は製作可能か?
A47

製作可能か検討しますので、当社商品取扱い販売店に図面を添えてご照会ください。

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