Q&A  締結具

お客様から寄せられました「よくある質問」をQ&A形式で掲載しています。質問をクリックして回答へお進みください。

設計編

Q1 既にキー溝加工されている軸に、パワーロックは使えますか?
Q2 パワーロックは曲げモーメントを受けることができますか?
Q3 軸長が短く、パワーロックが軸端より少し出ますが使えますか?
Q4 パワーロックと接触する部分の軸、ボスの表面粗さの許容限界値はいくらですか?
Q5 中空軸にパワーロックを使用しようと考えていますが、問題がありますか?
Q6 カタログにボス径一覧表が掲載されていますが、注意書きのところで「安全率を含んでいません」とあります。
安全率はどの程度とれば良いですか?
Q7 パワーロック幅に対してボス幅が短い場合、使用可能ですか?
Q8 センタリング機能のないパワーロックのシリーズを、ガイド部の無いボスに使用するとセンタリング精度はどのようになりますか?
Q9 パワーロック1個ではトルクが不足するので複数個並べて使用したいが、その場合の伝達トルクはどうなりますか?
Q10 プレス機械や建設機械などのように、大きな衝撃荷重が作用するアプリケーションにパワーロックは使用可能ですか?
Q11 TFシリーズをスペーサ無しで使用できますか?

取扱・周囲環境編

Q12 トルクレンチを使用せずに、パワーロックを組付けるとどうなりますか?
Q13 規定締付トルク以下でボルトを締付けると、どうなりますか?
Q14 取付けの際に、オイルまたはグリースを塗布しなければならない部分はどこですか?
Q15 組付けの際、締付ボルトにオイル・グリースの塗布が必要なシリーズを、塗布せずに乾燥状態で組付けるとどうなりますか?
Q16 パワーロックの取付け・取外しは何回までできますか?
Q17 スリップしたパワーロックを再使用できますか?
Q18 パワーロックのボルトにゆるみは発生しませんか?
Q19 締付ボルトに緩み止めの座金をいれても良いですか?
Q20 AD-Nシリーズの取扱いで、注意すべき点は何ですか?
Q21 常温でパワーロックを取付けたが、その後約180℃の場所に使用することになりました。
温度差が大きいのですが、伝達トルクの低下等の問題はないですか?
Q22 ステンレス仕様のパワーロックを海中で使うことは出来ますか?
Q23 パワーロックにレイデント処理を施したいのですが?(クリーンルームでの使用)
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Q1 既にキー溝加工されている軸に、パワーロックは使えますか?
A1

伝達トルク、スラスト荷重がカタログ値の90%にダウンしますが、使用することは可能です。但し、ELシリーズは本体の変形により取り外せなくなる可能性があるので、キー溝加工された軸には使用できません。

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Q2 パワーロックは曲げモーメントを受けることができますか?
A2

パワーロックは原則として、曲げモーメントを受けることはできません。
右図のように曲げモーメントが作用する場合は、弊社までご相談ください。

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Q3 軸長が短く、パワーロックが軸端より少し出ますが使えますか?
A3

軸が短いため、インナーリングなどに不均等な力が加わり、
パワーロックが変形するので使用できません。
センタリング精度も変形により低下します。

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Q4 パワーロックと接触する部分の軸、ボスの表面粗さの許容限界値はいくらですか?
A4

カタログに記載している下記の値を許容限界値とし、それよりも粗い加工は不可とします。軸、ボスの表面に面圧が発生すると、その面圧により表面の凹凸は押し潰され、軸・ボスは塑性変形すると考えられます。
その結果、表面粗さの分だけ軸外径は小さくなり、ボス内径は大きくなるため伝達トルクが低下します。経年変化により塑性変形が更に進行する恐れもあります。

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Q5 中空軸にパワーロックを使用しようと考えていますが、問題がありますか?
A5

中空軸の場合、パワーロックの締め付けにより発生する軸側面圧に、中空軸の強度が耐えうるか否か、軸材質と中空軸内径を検討する必要があります。
計算式等の詳細はカタログデータを参照ください。

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Q6 カタログにボス径一覧表が掲載されていますが、注意書きのところで「安全率を含んでいません」とあります。
安全率はどの程度とれば良いですか?
A6

規定締付トルク(MA)でボルトを締め付けた時の、ボス側内径面に発生する面圧に対し耐えうる最小ボス外径寸法が、カタログ記載の一覧表になります。締付けトルクにより発生する面圧は変わってきますので、一般のトルクレンチの誤差が±5%くらいと考えると、安全率は10%以上欲しいところです。

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Q7 パワーロック幅に対してボス幅が短い場合、使用可能ですか?
A7

MLシリーズなら使用可能です。但し、ボス側発生面圧が大きくなりますので、
次式によりボス側面圧P’kを算出、ボス材質強度と必要ボス外径を
満足しているか確認が必要です。

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Q8 センタリング機能のないパワーロックのシリーズを、ガイド部の無いボスに使用するとセンタリング精度はどのようになりますか?
A8

極めて大きな振れになることは確実でその数値は推測できず、使用できません。
必ずセンタリング用ガイド部をボスに設けてください。センタリング用ガイド部の
長さは軸径の半分(d/2)以上取れば実用的なセンタリング精度が得られます。
なお、必要精度に応じてガイド部の公差を決定してください。

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Q9 パワーロック1個ではトルクが不足するので複数個並べて使用したいが、その場合の伝達トルクはどうなりますか?
A9

伝達トルクはアップしますが、その倍率はシリーズにより異なります。
また、シリーズによっては複数並べての使用不可のものもありますので注意してください。

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Q10 プレス機械や建設機械などのように、大きな衝撃荷重が作用するアプリケーションにパワーロックは使用可能ですか?
A10

繰り返し衝撃荷重のかかる場合でも、安全率を十分に考慮し、ボルトの締付トルクを確実に管理すれば、十分に使用可能です。
衝撃トルクに対する安全率はS.F.=5を目安とします。

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Q11 TFシリーズをスペーサ無しで使用できますか?
A11

以下の理由により、スペーサ無しでの使用はできません。
  ①インナーリングが変形する。
  ②締付ボルトがボスに干渉する。
  ③ボスの取り付け位置が定まらない。
  ④組付け時にボスが移動する。

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Q12 トルクレンチを使用せずに、パワーロックを組付けるとどうなりますか?
A12

カタログ記載の伝達トルク、スラスト荷重は規定の締付けトルクによって、正しく組みつけられた場合の値です。
トルクレンチを使用せずに締め付けますと、規定の軸力が得られずパワーロックがスリップする原因になったり、過大な締め付けによりボルトの損傷やパワーロック本体が変形したりする危険がありますので、必ずトルクレンチを用い、規定の締付けトルクで組付けをしてください。

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Q13 規定締付トルク以下でボルトを締付けると、どうなりますか?
A13

ボルトの締付トルクとパワーロックの伝達トルクは比例関係にあります。
従って、締付トルクを低下させると伝達トルクもそれにつれて低下することになりますが、締付トルクを低下させて使用することはボルト緩みの原因となりますので推奨できません。

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Q14 取付けの際に、オイルまたはグリースを塗布しなければならない部分はどこですか?
A14

軸・ボスの接触面、テーパーリング、インナー・アウターリング等の部品相互接触面及び締付ボルトの座面及びネジ面に塗布する必要があります。
テーパー面に油を塗布することでスリップの原因になるのでは、と誤解されるケースがありますが、組付け時のテーパー面のスムーズな移動には、潤滑効果が重要なのです。但し、オイル、グリースはモリブデン系の減摩剤が含まれるものは使用しないでください。
また、極圧添加剤を含有するものもなるべく避けてください。これらを含んだオイル・グリースを使用しますと、摩擦係数が極端に下がって締付ボルトが破損する原因になります。

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Q15 組付けの際、締付ボルトにオイル・グリースの塗布が必要なシリーズを、塗布せずに乾燥状態で組付けるとどうなりますか?
A15

塗布せずに組付けた場合、伝達トルクが20%以上低下する恐れがあります。また、振動等により締付けボルトが緩む危険があります。カタログの伝達トルクはボルトが潤滑状態で締め付けられた場合での軸力をもとに算出されています。
よって、絶対に脱脂等は行わないでください。但し、ML及びSLシリーズ、ステンレス、無電解ニッケルメッキ仕様の各シリーズの締付ボルトには特殊潤滑コーティングを施していますので、組付け時のオイル・グリースの塗布は不要です。

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Q16 パワーロックの取付け・取外しは何回までできますか?
A16

AD-Nシリーズ以外は10回程度可能です。但し、パワーロックがスリップしていない変形・傷などが無いことが条件となります。
AD-Nシリーズは構造上変形しやすいため、2回程度になります。再使用にあたっては、パワーロックの新品を取り付ける要領でセットしてください。パワーロックの伝達トルクは変わりません。
なお、締付ボルトにコーティングを施しているものについては、状況により新品ボルトに交換してください。(販売店経由で弊社までご注文ください)

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Q17 スリップしたパワーロックを再使用できますか?
A17

一度完全に分解していただき、各部品に変形や傷の無いことを確認し、無いようであれば再度取扱説明書の手順に従い再組付けすることで、再使用が可能です。AD-Nシリーズは分解できませんので、全体の外観をよく確認願います。
いずれにせよ表面粗さの悪化等の問題がありますので、せいぜい1~2回までとしてください。

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Q18 パワーロックのボルトにゆるみは発生しませんか?
A18

規定締付トルク(MA)で正しく締め付けられた締付ボルトは、その摩擦トルクが自然にゆるむトルクに対して大きいので、ゆるむ心配はありません。更に、
  ①ゆるみ止めとなる摩擦力を確保するため、常に高い締付力で使用する仕様としている。
  ②ボルト座面と接触する部分には熱処理を施し、座面の陥没が少なくなるようにしている。
以上の理由によりボルトのゆるみは発生しないため、安心してご使用いただけます。

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Q19 締付ボルトに緩み止めの座金をいれても良いですか?
A19

正常な取付け状態でのパワーロックでは締付ボルトが緩む心配は無く、バネ座金などの反力が発生する座金を使用すると、締付力が減少し、結果軸力の低下により伝達トルクが低下するため使用できません。

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Q20 AD-Nシリーズの取扱いで、注意すべき点は何ですか?
A20

AD-Nシリーズは他のシリーズと比較して、大きな伝達トルクを確保するため小さいテーパー角度を採用しています。このため、取付け・取外し時のボルトの締め付けは少しずつ締め付け、慎重に作業を行う必要があります。早急なボルトの締め付けはボルト、ネジ穴等の不具合発生原因となりますので、必ず均等に少しずつ締め付けを行ってください。(1回の締め付け角度は30度を目安としてください)
取外しの際にも必ず全ての抜きタップを使用し、取扱説明書の手順に則って作業してください。

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Q21 常温でパワーロックを取付けたが、その後約180℃の場所に使用することになりました。
温度差が大きいのですが、伝達トルクの低下等の問題はないですか?
A21

軸、及びボスの材質がパワーロックと同等の鋼種であれば、軸・パワーロック・ボスが一体となって膨張するため、問題はありません。材質がステンレスやアルミのように異なる場合には、別途検討が必要になりますので弊社までお問い合わせください。
なお、使用可能な周囲温度は-30℃~200℃の範囲となります。

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Q22 ステンレス仕様のパワーロックを海中で使うことは出来ますか?
A22

少々の錆が発生しても問題なければ使用可能です。水中で使用する場合でも、取付接触面は高面圧のため水の進入は殆どなく性能の低下はありません。但し、全く錆が発生してはいけないといった場合には、使用することはできません。

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Q23 パワーロックにレイデント処理を施したいのですが?(クリーンルームでの使用)
A23

レイデント処理は剥離によりテーパー面が荒れ、伝達トルクが低下するので不可とします。
無電解ニッケルメッキ仕様(AS-KP,KE-KP,TF-KP)、ステンレス仕様(AS-SS,KE-SS,RE-SS)でのご検討をお願いします。

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