トラブルシューティング パワーロック
パワーロック
1 | 規定伝達トルク値以下でスリップする(軸 ボス穴) |
---|---|
2 | 規定伝達トルク値以下でスリップする(締付ボルト) |
3 | 規定伝達トルク値以下でスリップする(機械側) |
4 | 規定伝達トルク値以下でスリップする(その他) |
5 | ボルト折れ |
6 | 軸やボス穴にパワーロックが入らない |
7 | 抜きタップにボルトがスムーズに入らない |

1 | 規定伝達トルク値以下でスリップする(軸 ボス穴) |
---|
原因1 | 軸径またはボス穴径寸法が公差外 | 手当法 | 軸径またはボス径を推奨公差内にて再加工してください |
---|---|---|---|
原因2 | 軸またはボス穴の表面粗さが推奨値より粗い | 手当法 | 適用表面粗さにて再加工してください |
原因3 | ボス外径が小さいため変形している | 手当法 | ボス材質の変更またはボス外径を大きくしてください |
2 | 規定伝達トルク値以下でスリップする(締付ボルト) |
---|
原因1 | 締付トルクが規格ボルト締付トルク以下である | 手当法 | トルクレンチを使用してボルトの締め付けを行ってください |
---|---|---|---|
原因2 | ねじ面のいたみにより、ねじの締付効率が低下している | 手当法 | 締付ボルトを交換してください |
3 | 規定伝達トルク値以下でスリップする(機械側) |
---|
原因1 | パワーロックの伝達トルク以上のトルクがかかっている | 手当法 | 機械側のトルクを再チェックしサイズアップまたは複数個使用してください |
---|---|---|---|
原因2 | スラスト荷重が大きい | 手当法 | 合成負荷を算出し、伝達トルク以下であることをチェックしてください |
原因3 | 大きな衝撃トルクがかかっている | 手当法 | より大きな安全率を考慮しサイズアップまたは複数個使用してください |
4 | 規定伝達トルク値以下でスリップする(その他) |
---|
原因1 | 軸とボスとの温度差が大きい | 手当法 | 冷却装置などで軸ボスの温度を同等にしてください |
---|---|---|---|
原因2 | 高温にて使用され軸材とボス材の線膨張係数が大きく違う | 手当法 | ボス材、軸材の材質変更または冷却装置を設置してください |
原因3 | 組付けの際に、オイルまたはグリースを塗布していない (MLおよびSLシリーズ、ステンレス、無電解ニッケルメッキ仕様は不要) | 手当法 | 組付けの際には軸・ボスの接触面、インナ・アウタリング等の部品相互接触面や締付けボルトの座面及びネジ面にオイルまたはグリースを塗布してください |
原因4 | モリブデン系の減摩剤入りのオイルまたはグリース使用 | 手当法 | 摩擦係数が変化するので使用しないでください |
5 | ボルト折れ |
---|
原因1 | ボルトの締めすぎ | 手当法 | トルクレンチを使用してボルトの締め付けを行ってください |
---|---|---|---|
原因2 | 専用締付ボルト以外のものを使用 | 手当法 | 必ず専用締付ボルトを使用してください |
原因3 | くり返しの荷重変動の為に疲労破壊する(破断面は貝がら状模様) | 手当法 | ボルトを交換、出来るだけくり返しの曲げモーメントまたはラジアル荷重を低減してください |
原因4 | 脆性破壊(酸、薬品などの雰囲気で使用) | 手当法 | 雰囲気PH値を測定し、ご相談ください |
原因5 | 使用雰囲気温度が200℃を超えている | 手当法 | 雰囲気温度を200℃以下に下げてください |
6 | 軸やボス穴にパワーロックが入らない |
---|
原因1 | 軸径、ボス穴径寸法の公差外 | 手当法 | 軸径、ボス穴径を推奨公差内にて再加工してください |
---|---|---|---|
原因2 | パワーロックの形番まちがい | 手当法 | パワーロックを交換してください |
7 | 抜きタップにボルトがスムーズに入らない |
---|
原因1 | タップ穴の損傷 | 手当法 | パワーロックを交換してください |
---|---|---|---|
原因2 | ボルトねじ部の損傷 | 手当法 | ボルトを交換してください |