Q&A ピンギヤドライブユニット
お客様から寄せられました「よくある質問」をQ&A形式で掲載しています。質問をクリックして回答へお進みください。
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メンテナンス・取扱

Q1 | ピンギヤドライブユニット(PDU)とはどのような機能の商品ですか? |
---|---|
A1 |
直線/曲線用のかんたん駆動ユニットで、直線上で往復運動させたい/回転・揺動させたい場合にご使用できるローラ付ギヤラックです。 ラック&ピニオン同様の機能を備えていますが特長、能力において異なる動力伝達部品です。 チェーン&スプロケットの巻掛け伝動とは異なり一歯で噛合う伝動です。 |
Q2 | ピンギヤドライブユニット(PDU)のピンギヤ歯形と一般のスプロケットの歯形とは異なるものですか? |
A2 |
一般的な駆動用スプロケットは巻掛け伝動を想定したJIS規格のS歯形またはU歯形を採用していますが、ピンギヤドライブユニット(PDU)のピンギヤは特殊歯形を採用しています。 直線用と曲線用、さらに曲線用でも内接・外接で歯形は異なります。 |
Q3 | ピンギヤドライブユニット(PDU)の枠番とギヤのモジュールとの違いは何ですか? |
A3 |
ギヤモジュールは歯車のピッチ円直径を歯数で割った値です。 一方ピンギヤドライブユニット(PDU)は、ピッチを枠番としています。 PDU020はピッチ20mmとなります。 どちらも大きければ強度が高くなります。 |
Q4 | ピンギヤドライブユニット(PDU)の枠番ラインアップにはどういった種類がありますか? |
A4 |
ピッチ別にPDU020,022,030,035,040,050,055,070,080,090,120,150,180,240の14種類の枠番をラインアップしています。 枠番が大きいほど接線荷重が高くなります。 |
Q5 | ピンギヤドライブユニット(PDU)を昇降に使用することは可能ですか? |
A5 |
昇降にも使用可能です。 ピンギヤを昇降部にセットすることにより、昇降部の乗移りに余分な段差をなくしたレイアウトが可能です。 |
Q6 | ピンギヤドライブユニット(PDU)はチェーン&スプロケットと比較してどのようなメリットがありますか? |
A6 |
ピンギヤドライブユニット(PDU)は一般のチェーン&スプロケットの巻掛け伝動に比較して省スペースとなり装置全体のコンパクト化に貢献します。 また取付がかんたんで、チェーン伸びによる交換も不要です。 |
Q7 | ピンギヤドライブユニット(PDU)はラック&ピニオンと比較してどのようなメリットがありますか? |
A7 |
ピンギヤドライブユニット(PDU)は独自の噛合い設計をしており、据付精度(中心間距離)が多少悪くても確実に噛合せることができます。 またギヤラックと異なり、噛合い部に異物が堆積することによる噛み外れがしづらい構造になっています。 ピンギヤ噛合い部はローラが回転し摩耗にも有利です。 |
Q8 | ピンギヤドライブユニット(PDU)はガースギヤ(ギヤ方式)と比較してどのようなメリットがありますか? |
A8 |
ピンホイールがフレームとピンおよびローラで構成されている中空構造であるため重量が軽く取扱いが容易です。 中心間距離が比較的大きいため設置も容易です。 揺動の場合には必要回転角度のみのピンホイールを製作できるので経済的です。 |
Q9 | ピンギヤドライブユニット(PDU)は粉塵の多い雰囲気で使用できますか? |
A9 |
ピンラック・ピンホイールはフレームとピンおよびローラで構成されている中空構造であるため、異物が堆積しづらい構造となっています。 一方、粉塵がとても小さいものでローラ・ピン間に粉塵が詰まってしまえばローラが固着し回転しなくなり、異常摩耗の原因となるため注意・対策が必要です。 |
Q10 | ピンギヤドライブユニット(PDU)はピンギヤとピンラックまたはピンホイールとのセット販売ですか? |
A10 |
ピンギヤは組合わせるピンラック・ピンホイールに応じた最適な歯形を設計しています。 そのため基本的にセット販売としています。 交換品は納品図面の図番をご確認のうえで単体でも販売します。 形状のみの保証(機能保証は保証外)をご了解くださるのであれば、ピンギヤまたピンラック・ピンホイールの単体販売も検討いたしますのでご相談ください。 |
Q11 | ピンギヤドライブの選定はどのようにしたら良いですか? |
A11 |
カタログに掲載している「選定サービスシート」に必要事項を記載のうえ、当社営業所、取引先の代理店にご相談をお願いいたします。 また「つばきパワトラ総合技術者サイトTT-net」に選定サービスをご用意しています。 |
Q12 | ピンギヤドライブの選定結果以外の形番は使用できませんか? |
A12 |
選定形番以上のサイズであれば使用できます。 機械装置の大きさとのバランス検討は必要ですが、サイズアップすることでローラやピンなどの構成部品点数を減らすことができコストダウンにつながる場合もあります。 また、ほとんど稼働しないことが前提となっている装置や2列とすることでサイズを下げることも可能ですのでご相談ください。 |
Q13 | 防錆対策(表面処理仕様)にはどのようなものが可能ですか? |
A13 |
スチールタイプの防錆対策(表面処理仕様)には黒染め、無電解ニッケルりんめっきのほか、当社独自の高防錆仕様 (対応枠番:PDU030から120) をご用意しています。 強度は落ちますがさらに耐食性の高いステンレスタイプもあります。 |
Q14 | 高防錆仕様はどのような環境で使うことができますか? |
A14 |
強度を必要とする屋外環境で使用できます。 海水のかかる雰囲気など、スチールタイプに比較して防錆力が必要な環境でご採用いただいた事例もあります。 ご相談ください。 |
Q15 | 高防錆仕様のPDU020とPDU022サイズはカタログにてラインアップされていませんが対応できないのでしょうか?確認できますか? |
A15 |
対応できる場合がありますのでお問合せください。 ただし、リング形状の一体形ピンホイールは高防錆仕様は対応不可となります。 |
Q16 | ピンギヤ、ピンラック・ピンホイールの質量がカタログに掲載されていません。 |
A16 | 質問へ戻る |
Q17 | 組立て時に塗布している初期潤滑剤は指定可能ですか? (食品用グリス、真空環境用グリスなど) |
A17 |
お客様ご指定の潤滑剤があれば検討いたします。 その場合潤滑剤のご支給をお願いする場合があるため、ご検討時はお問合せ、ご確認ください。 |
Q18 | ピンギヤ、ピンラック・ピンホイールの材質を変更は可能ですか? |
A18 |
材料強度、入手性より検討しますのでご相談ください。 |
Q19 | ピンギヤとピンラック・ピンホイールとの据付中心間距離精度はカタログ値が限界ですか? |
A19 |
中心間距離はバックラッシ値と関係します。 ピンギヤ歯形を大バックラッシ仕様で製作することで中心間距離をさらに大きくできます。 また標準品より中心間距離の設定を予め大きく設定をしたフレキシブルタイプもございます。 |
Q20 | ピンギヤドライブユニット(PDU)のバックラッシを小さくすることは可能ですか? |
A20 |
標準バックラッシの2/3程度までバックラッシを小さくすることは可能です(対応枠番:PDU020から120)のでご相談ください。 加えて軸とピンギヤの締結を摩擦締結ロックタイプとすることをお奨めします。 |
Q21 | ピンラック・ピンホイールはカタログ記載以外のローラ数を製作は可能ですか? |
A21 |
最小ピン数以上であれば対応可能です。 図面ダウンロードサービスでご要望のローラ数を入力くださいますと寸法が確認できます。 *図面ダウンロードはローラ数の上限が有りますがその場合はご相談ください。 |
Q22 | ピンラック・ピンホイールの長さ・径に製作最大サイズは決まっていますか? |
A22 |
セグメント(分節)方式のため必要数を並べてつなげ長さ・径に制限はございません。 |
Q23 | ピンホイールは任意角度分だけの製作依頼は可能ですか? |
A23 |
ピンホイールは必要角度分だけでご購入が可能です。 ただし、各セグメントは最小ピン数以上、必要となります。 |
Q24 | セグメント(分節)方式とありますが、ピンホイールはリング状一体形でも製作可能ですか? |
A24 |
リング状一体形については枠番、径に上限ございます。 径は約φ800前後です。 ピンホイールは分割形製作、もしくはリング状一体形でも製作可能です。 |
Q25 | ピンホイールのフレームの凹凸はなにのためにあるものですか? |
A25 |
凸部に旋削加工をして取付け時の基準(ガイド)面としております。 取付ベースにも基準面をご用意いただくことで、凸部を基準(ガイド)面として取り付けることが可能です。 |
Q26 | ピンホイールのリング状一体形には基準(ガイド)面はありますか? |
A26 |
凸部はありませんが内周または外周全面を削り、基準(ガイド)面を設けております。 |
Q27 | ピンラック、ピンホイール幅方向のピンギヤとのクリアランスを確保するためにフレーム内幅を拡げることは可能ですか? |
A27 |
フレキシブルタイプ(中心間距離およびフレーム幅方向クリアランス大)にラインアップされているサイズでご検討をお願いします。 フレキシブルタイプ以外では基本的にはフレーム内幅を大きくせず、ピンギヤの歯幅を小さくする方法をとります。 |
Q28 | ピンギヤ歯幅とピンラック、ピンホイール内幅とのクリアランスをとるために、歯幅を薄く製作できますか? |
A28 |
フレキシブルタイプ(中心間距離およびフレーム幅方向クリアランス大)にラインアップされているサイズでご検討をお願いします。 PDU040以下のサイズはラインアップされていませんが、歯幅を小さくすることは可能です。 標準歯幅の2/3までが限度値です。 許容接線荷重が低下しますが、材料変更により低下度が変わりますのでご相談ください。 |
Q29 | ピンギヤの軸穴加工を指定することは可能ですか? |
A29 |
お客様ご指定の軸穴径、キー溝、タップ加工などの加工が可能です。 また摩擦締結式ロックタイプも加工可能です。 お見積り時に各寸法をご指定ください。 |
Q30 | ピンギヤのハブ径、ハブ長さは変更可能ですか? |
A30 |
変更可能です。 お見積り時にご指定の寸法をご指定ください。 ただし、指定軸穴径がある場合にハブ径との兼ね合いなどにより強度的に対応できない場合があります。 |
Q31 | ピンギヤに歯先硬化処理はされていますか? |
A31 |
スチールタイプのピンギヤは歯先硬化処理をしています。 ステンレスタイプは硬化処理できません。 |
Q32 | ピンギヤ歯数はカタログ掲載歯数以外に選定、製作可能ですか? |
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Q33 | ピンギヤの最小歯数が知りたいです。 |
A33 |
カタログの「ピンギヤドライブ選定手順」ページの「ピンギヤ適用歯数範囲」に記載をしています。 △の歯数範囲については許容接線荷重がカタログ値より下がりますのでお問合せ下さい。 |
Q34 | ピンギヤにロックスプロケット、パワーロックのようなキーレス仕様が可能ですか? |
A34 | 質問へ戻る |
Q35 | ピンギヤはトルクリミターやショックガードと併せて使えますか? |
A35 | 質問へ戻る |
Q36 | RoHS対応はしていますか? |
A36 |
対応しています。 |
Q37 | フレキシブルタイプはどのような機能の商品ですか? |
A37 |
中心間距離公差を拡大し、さらにピンラック/ピンホイールとピンギヤ間の隙間を拡大した仕様です。 据付精度が厳しいものや熱膨張を考慮した隙間が必要なキルンドライヤなどの駆動に最適です。 |
Q38 | ピンギヤのみをフレキシブルタイプとすることはできますか? |
A38 |
フレキシブルタイプ対応枠番でしたら、ピンギヤ:フレキシブルタイプ、ピンラック/ピンホイール:スチールタイプという組合せでもご使用できます。 この場合、許容接線荷重やバックラッシはフレキシブルタイプの値となります。 |
Q39 | ピンラック・ピンホイールの取付けはどのようにすればよいですか? |
A39 |
カタログに掲載しています「取付方法」および「取付精度」を参照ください。 指定サイズのボルトをセグメント(分節)毎の最小取付本数以上使用し取付けください。 |
Q40 | 各セグメント(分節)のピンラック・ピンホイールを取付ける際の端部は、突き合わせて取付けるのでしょうか? |
A40 |
基本的に突き合わせて取付けください。 隙間がある場合でも0.2mm以下の隙間でしたらピンギヤの乗り移りが可能です。 方向転換用のターンテーブルなど、セグメント(分節)同士がぶつかることを回避するような場合にこの特長を利用できます。 |
Q41 | 無給油で使用することはできますか? |
A41 |
ピンギヤドライブユニット(PDU)は給油してご使用ください。 運転前に必ずすべてのローラ外周面に極圧系グリスを塗布してください。 定期的に潤滑を実施することで長くご使用できます。 初期的に簡易防錆油を塗布して出荷していますが潤滑効果はありません。 必ず潤滑を実施ください。 |
Q42 | ピンギヤドライブユニット(PDU)を外接駆動で購入しましたが、内接駆動にて使用できますか? |
A42 |
使用できません。 ピンギヤは駆動方式とピンホイールのピン数で歯形が異なります。 そのためピンギヤは外接、内接各々専用タイプとなります。 |
Q43 | ピンホイールのピン数を変えて同じピンギヤを使用することは可能ですか? |
A43 |
使用できません。 ピンギヤはピンホイールのピン数と駆動方式で歯形が異なります。 そのためピンギヤはピンホイールのピン数に応じた専用タイプとなります。 |
Q44 | ピンギヤドライブユニット(PDU)の交換時期はどのようになった場合ですか? |
A44 |
ピンギヤの歯が摩耗したとき、またはピンラック・ピンホイールのローラが摩耗したときです。 ピンギヤとピンラック・ピンホイールでは交換時期が異なり、通常ピンラック・ピンホイールが長く(大きく)なればピンギヤが先に摩耗します。その後にピンラック・ピンホイールの構成部品であるローラが減ってガタが大きくなります。 ローラが摩耗している場合にはローラを支えるピンも同様に摩耗しています。 バックラッシが大きくなる、強度不足といった懸念がありますので交換を準備ください。 |
Q45 | ピンギヤの摩耗が進むとどのようになりますか? |
A45 |
摩耗量が大きくなると、まずバックラッシが大きくなります。 スチールタイプは歯先硬化処理層が摩耗すると急速に摩耗が進捗しますのでご注意ください。 寿命については仕様によって歯形が異なりますのでご相談ください。 |
Q46 | ピンラック・ピンホイールはどうなれば交換時期ですか? |
A46 |
構成部品であるローラが摩耗したときです。 ローラが摩耗している場合にはローラを支えるピンも同様に摩耗しています。 バックラッシが大きくなる、強度不足といった懸念がありますので交換を準備ください。 |
Q47 | ピンラック・ピンホイールのみ、またはピンギヤのみの購入は可能ですか? |
A47 |
ピンギヤドライブユニット(PDU)はピンギヤとピンラック・ピンホイール独自の噛合いを想定しているため、基本的にはユニットでの販売です。 ピンギヤは組合わせるピンラック・ピンホイールにあわせて歯形を設計していますので、交換部品としてのご購入の場合は納品図面の図番も併せてご連絡ください。 形状のみの保証(機能保証は保証外)をご了解をくださる場合はピンギヤまたはピンラック・ピンホイールのみの単体販売も検討します。 ご相談ください。 |
Q48 | 分割形のピンラック・ピンホイールのうち、1セグメント(分節)だけの交換は可能ですか? |
A48 |
ラインストップなどの緊急事態時についてはご相談により対応しますが、基本的に全セグメント同時の交換を推奨します。 運転状況などで一部のセグメントのみのピンギヤ噛合いが明らかに多いような場合を除いて、他のセグメント部分も同様に摩耗している懸念があります。 |