Q&A  小形コンベヤチェーン

お客様から寄せられました「よくある質問」をQ&A形式で掲載しています。質問をクリックして回答へお進みください。

小形コンベヤチェーン

Q&A内で語句

Q1 精密な位置決めが必要な間欠搬送コンベヤに適したチェーンは?
Q2 間欠搬送チェーンの使用温度は?
Q3 高温で使用できるプラローラチェーンは?
Q4 倍速チェーン ラムダ仕様(無給油)の特長は?
Q5 チェーンを2本並列で使う時の注意は?
Q6 SローラとRローラの使分けは?
Q7 バイピッチにRS標準スプロケットは使えるのか?
Q8 カーブドチェーンのガイド方法はどのようにすれば良いのか?
Q9 GNK1アタッチを使う場合のスプロケットの最小歯数は?
Q10 コンベヤチェーンのアタッチメントの種類は?
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Q1 精密な位置決めが必要な間欠搬送コンベヤに適したチェーンは?
A1

加工、組立、検査などの自動化ラインには、位置決め精度を確保した直線式ベースマシン(間欠搬送コンベヤ)があります。そして、その搬送系の一つとしてチェーンが使用されますが、通常のチェーンではピン、ブシュ間での摺動摩耗によりチェーン摩耗伸びが発生し、停止位置が狂ってしまいます。そのため頻繁に位置調整(メンテナンス)が必要になってきます。
そこでこの問題を解決したのが、間欠搬送チェーンです。ピン、ブシュ間にニードルベアリングを挿入することで滑り軸受から転がり軸受に変え、摩耗伸びを極力抑えています。これにより、高速・高精度な間欠位置決めが可能になります。
間欠搬送チェーンには、4タイプのチェーンがあり、用途や求められる精度により使い分けます。

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Q2 間欠搬送チェーンの使用温度は?
A2

間欠搬送チェーンの使用温度は、チェーンの性能を維持できる範囲、使用する部品の材質特性から決めています。品種により異なりますので、ご使用条件を確認の上、以下の範囲内でご使用ください。

品名 サイズ & ローラ形式 & 仕様 使用温度範囲 停止精度(参考)※
ニードルケージチェーン RF20**R-NC -10~60℃ ±0.7mm
ニードルブシュチェーン普通仕様 RF20**R-NB -10~150℃ ±0.5mm
ニードルブシュチェーン高精度仕様 RF20**R-NBH -10~150℃
ニードルブシュチェーンステンレス仕様 RF20**R-NBSS -10~60℃
ミニタクトチェーン BCM 10~40℃ ±0.05mm
タクトテーブルチェーン BC -10~60℃ ±0.1mm

※停止精度は過去採用いただいたお客様での実績値です。保証値ではありません。

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Q3 高温で使用できるプラローラチェーンは?
A3

プラローラチェーンは、プラスチック材の特性を生かし、「軽量」「低騒音」「低摩擦」の特長を備えたチェーンとして様々な業種で採用頂いてます。しかし、プラローラチェーン(ローラ材質:ポリアセタール)の使用温度は-10℃~80℃であるため、80℃を越える予熱機や乾燥機では使用出来ず、スチール製やステンレス製のチェーンを利用頂いていました。
KVシリーズはスーパーエンプラ素材を用いたプラローラで、180℃の耐熱性があります。(本体チェーンはステンレス製)
更に、従来のプラローラチェーンの特長に加えて、耐薬品性、難燃性、導電性の特長も備えています。
ドライ、ウエット両方の雰囲気でご使用頂けますので、洗浄機、蒸し機、茹で機、乾燥機、ヒータなどの装置で機能を発揮します。

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Q4 倍速チェーン ラムダ仕様(無給油)の特長は?
A4

倍速チェーン ラムダ仕様(無給油)には下記の2つの特長があります。

無給油でロングライフ

倍速チェーン ラムダ仕様(無給油)は、無給油条件で、特殊含油ブシュの効果により、長寿命でご使用いただけます。
また、チェーンの張りを調整するテークアップの頻度が減り、メンテナンス工数の削減が出来ます。

低騒音

倍速チェーン普通仕様は、搬送物の速度に対して1/2.5の速度で運転できるため、サイドローラ付チェーンやトップローラ付チェーンに比べ-15%低騒音になります。しかし、倍速チェーン普通仕様では無給油で長時間使用していると、ピン~ブシュ間でキシミ音が発生します。倍速チェーン ラムダ仕様(無給油)は、含油ブシュの効果でピン~ブシュ間に適度の潤滑が行き渡り、キシミ音が防げ、長期に渡り静かな環境を維持できます。

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Q5 チェーンを2本並列で使う時の注意は?
A5

チェーンの長さは、公差(全長公差)の範囲内でバラツキがあります。しかし、チェーンを左右2本に並べて使用する際、用途により極力、相対位置を揃えたい場合があります。(例えば、両側のチェーンをスラット等の治具で連結する場合など)そのような場合、ご注文の際に『全長組合わせ』の指示を頂ければ、当社にて1本ずつ全長を測定し、左右のチェーンの相対差が僅少になるような製作も可能です。また、アタッチメントの取付け間隔が特殊であったり、下図のようなアタッチメントが付く場合、並列で使用する際、向き合うアタッチメントの位置がズレます。このような場合は、ご注文の際に『半数勝手違い』の指示を頂ければ、一組のチェーンのアタッチメントが対称となるよう製作致します。

<ご注文例>
RF2040R-2LA2…6ユニット(定尺6本)
並列仕様 : 2本並列×3組
半数勝手違いアタッチメント
全長組合わせ


左記の品名とは異なります。

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Q6 SローラとRローラの使分けは?
A6

バイピッチには、SローラとRローラの2つの形式があります。その特長と使分けは以下の通りです。

形式 比較 ※1 使分け
外観 チェーン
質量
ローラ
許容負荷
ローラ
摩耗寿命
ローラ
摩擦係数
価格
Sローラ ローラ外径がプレート幅より小さい 軽い 低い 短い 高い 安価 一般的に機長10m以下速度20m/min以下に適用。スプロケットに噛合う時、衝撃を緩和する効果あり。
Rローラ ローラ外径がプレート幅より大きい 重い 高い 長い 低い 高価 一般的に機長10m以上速度20m/min以上に適用。ローラの摩擦係数が小さい為円滑な運行で脈動が小さい。

※1.同じチェーンサイズ、且つ同一の運転条件とした時の両者の比較


Sローラ


Rローラ

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Q7 バイピッチにRS標準スプロケットは使えるのか?
A7

<ローラがRローラの場合>

「バイピッチ Rローラ専用スプロケット」を使用ください。


<ローラがSローラの場合>

「バイピッチ Sローラ専用スプロケット」を使用いただきますが、歯数が30枚以上の時は、RS標準スプロケットが使用可能です。もし、歯数29枚以下のRSスプロケットを使用されると、チェーンピッチとスプロケットの歯のピッチがズレ、スムーズな噛合いが出来ず、円滑な運転ができませんので、ご注意ください。



Sローラの場合、図の様に1歯飛びにチェーンが噛み合います。その為、割出歯数(見掛の歯数)が奇数の時には、ローラはスプロケットの1回転毎に異なる歯と噛合うのでスプロケットにとっては摩耗が少なく、寿命が長くなります。RSスプロケットで歯数が30枚以上を使用される時はまず、奇数歯数が使用出来ないかご検討ください。

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Q8 カーブドチェーンのガイド方法はどのようにすれば良いのか?
A8

カーブドチェーンのガイドでは、ローラ面だけのガイドでは脱線する可能性が高くなります。従って、ローラ面とプレート側面の2ヶ所のガイドをお勧め致します。
但し、プレート側面を受ける時、ピン端面がガイドと接触しないよう、ガイドにピン出代を逃がすための溝を設けてください。あるいは、外プレートを2枚重ねとし、ピン端面とプレートと面一とした、ガイドプレート付やチェーン側面にガイドローラを取付けたチェーンも製作できますので、当社にご相談ください。
以下にガイド方式をいくつか紹介いたします。

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Q9 GNK1アタッチを使う場合のスプロケットの最小歯数は?
A9

GNK1アタッチ付バイピッチ(両側のプレートに穴のあるアタッチメント)のGNK1の穴にバーを取付けた場合、スプロケット歯数が小さいと、スプロケットの歯底とバーが干渉します。
標準のGNK1アタッチの場合は、作用歯数12.5T 割出歯数25T以上の歯数をご使用ください。
歯数が30T以上の場合は、RS標準スプロケットがご使用頂けます。

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Q10 コンベヤチェーンのアタッチメントの種類は?
A10

アタッチメントとは、搬送ジグをチェーンに取付けるための部品です。
ご要望のリンク間隔で組込みが可能です。
下記に経済的で汎用性のある標準的なアタッチメントを示します。取付間隔は別途ご指示ください。
(継手部は識別のためメッキを施しています。)

Aアタッチメント

チェーンの片側に穴のあるアタッチメントのついた形式です。穴の数によりA1、A2と呼びます。(RS形はA1のみ)
写真は1リンク毎A1アタッチメント付の例

SAアタッチメント

チェーンの片側に穴のある垂直アタッチメントのついた形式です。穴の数によりSA1、SA2と呼びます。(RS形はSA1のみ)
写真は1リンク毎SA2アタッチメント付の例

Kアタッチメント

チェーンの両側に穴のあるアタッチメントのついた形式です。穴の数によりK1、K2と呼びます。(RS形はK1のみ)
写真は1リンク毎K1アタッチメント付の例

SKアタッチメント

チェーンの両側に穴のある垂直アタッチメントのついた形式です。穴の数によりSK1、SK2と呼びます。(RS形はSK1のみ)
写真は1リンク毎SK2アタッチメント付の例

AAアタッチメント

チェーンの片側上下に穴のあるアタッチメントのついた形式です。穴の数によりAA1、AA2と呼びます。(RS形はAA1のみ)
写真は1リンク毎AA1アタッチメント付の例

WAアタッチメント

チェーンの片側に穴のある幅広のアタッチメントのついた形式です。穴の数によりWA1、WA2と呼びます。RS形チェーンは各リンクにアタッチメントを取り付けられません。
写真は2リンク毎WA1アタッチメント付の例

KKアタッチメント

チェーンの両側上下に穴のあるアタッチメントのついた形式です。穴の数によりKK1、KK2と呼びます。(RS形はKK1のみ)
写真は1リンク毎KK1アタッチメント付の例

WK1アタッチメント

チェーンの両側に穴のある幅広のアタッチメントのついた形式です。穴の数によりWKー1、WKー2と呼びます。RS形チェーンは各リンクにアタッチメントを取り付けられません。
写真は2リンク毎WK1アタッチメント付の例

EPアタッチメント

チェーンのピンを片側に延長した形式です。
写真は1リンク毎EPアタッチメント付の例

GNKアタッチメント

両側のプレートに穴のある形式のチェーンです。(バイピッチはSローラのチェーンに限ります。)
写真は1リンク毎GNK1アタッチメント付の例

ホローピンチェーン

ピンが中空のチェーンです。Sローラタイプは便宜上、Sローラとしていますが、ローラが付いておらず、ブシュドタイプとなります。
写真はRS形ホローピンチェーンの例

特殊アタッチメント

お客様にあわせたアタッチメント形式も取揃えております。

編成

アタッチメントは、1リンク毎以上のリンク間隔で組込みできますが、偶数リンク毎に付ける時には、補修などに便利な外リンクに取付けます。

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