適用事例集 カムクラッチ - 23. 建材など板状材料塗装ライン
アプリケーション
オーバランニング
カムクラッチの内外輪がかみ合ってトルクが伝達されている場合と、内外輪の回転速度の差や回転方向の違いによって、
空転を続ける場合とが任意に繰り返される使用法です。自動車のフリーホイルの動きと同様です。
対応機種
採用機械
建材など板状材料塗装ライン
適用事例
レイアウト
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①塗装部において外壁材はカーテン状に落ちるセラミック塗料をある一定の速度で通り抜ける。 | ②次に乾燥炉に入るためにコンベア速度は遅くなる。 | ③乾燥炉を通った外壁材は速度を速めて次工程へ流される。 | |||
※■部分は、全てのローラにカムクラッチを取付け、チェーンを千鳥掛けで巻きつけています。 カムクラッチ外輪側にスプロケットを取付け、内輪側はローラにつながっています。 |
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- の塗装工程で速度が変わると塗装ムラができる。
- 塗装部を出てきた外壁材が「速い」から「遅い」コンベヤに移るときBBの空転を利用し速度の減速をする事無くスムーズな移動が可能となる。
- 塗装部を出てきた外壁材の前に他の外壁材が停滞しているときにも、後の外壁材が当たればBBの空転によって前の外壁材は押された格好になり、後の外壁材はスムーズに塗装部を通過することが出来る。
- リフトの速度が次第に減速しタイヤの回転以下になろうとするとカムクラッチがかみ合って
リフトを自動的に低速で運転します。
使用目的と動作説明
通常運転時
カムクラッチにはスプロケットが取付けられ、各ローラに組込まれます。スプロケットの回転はカムクラッチ外輪側に伝えられ、カムクラッチのかみ合いにより各ローラが回転し材料を送ります。
((右図:緑矢印)) 噛み合いとは・・外輪・カム・内輪が一体となって駆動機側から被動機側へ動力を伝達する状態のこと。本使用例では外輪側から内輪側に回転がカムクラッチのかみ合いにより伝えられています。
高速から低速へ&低速から高速ローラに移行時
高速側から低速に移行時、高速側が低速側の材料を押した場合と低速側から高速ローラに乗り移る際に低速ローラ側が高速側から引っ張られた際には、カムクラッチは空転状態になり、ローラと搬送物が擦れることを防ぎます。
((右図:赤矢印)) 空転とは・・外輪が停止した状態でも内輪側のみが赤矢印方向に回転できる状態。
カムクラッチ使用のメリット
- ・高速側から低速側へ移行の際に、材料とローラとの摺動で傷がつくことを防止できます。
- ・カムクラッチのオーバランニング機能を利用すると、制御機器を使用する必要はありません。