技術資料 直動機器 リニパワージャッキ 取扱

注意事項

  • (1)ジャッキを選定される場合、使用荷重(静的、動的)・衝撃荷重ともに基本容量を超えないように、安全率を見込んだ十分な容量のジャッキをお選びください。
  • (2)ネジ軸速度と許容荷重の組合せ、および許容座屈荷重・許容オーバハングロード・許容ネジ軸回転速度の確認には十分ご注意ください。
    カタログ記載データ以上でのご使用はジャッキ、装置全体に重大なダメージを与えます。入力軸や出力軸にスプロケット・ギヤ・プーリなどを取付ける場合、軸に作用するオーバハングロードが許容オーバハングロード以下になることをご確認ください。

    許容O.H.L. ≧ T×f×Lf R

    OHL:オーバハングロード N{kgf}

    T:入力トルク N・m{kgf・m}

    f:伝動要素係数

    Lf:荷重の作動位置による係数

    R:スプロケット、ギヤ、Vプーリなどのピッチ円半径 m

    オーバハングロード

    QH:軸の長さ

    ℓ:荷重の作用位置

    伝動要素係数(f)

    スプロケット 1.00
    ギヤ 1.25
    Vベルト 1.50
    平ベルト 2.50

    荷重の作用位置による係数(Lf)

    ℓ/QH 0.25 0.38 0.5 0.75 1
    Lf 0.8 0.9 1 1.5 2

    許容O.H.L.

    単位:N{kgf}
    タイプ 枠番
    002 005 010 025 050 100 150 200 300 500 750 1000
    JWB
    (ボールネジタイプ)
    H速度

    130
    {14}
    220
    {23}
    480
    {50}
    870
    {89}
    1290
    {132}
    2030
    {208}
    2490
    {255}
    3450
    {352}
    5240
    {535}
    7200
    {735}
    9790
    {998}
    JWB
    (ボールネジタイプ)
    L速度

    82
    {8}
    140
    {15}
    290
    {31}
    500
    {52}
    840
    {86}
    1300
    {133}
    1610
    {165}
    2400
    {245}
    3560
    {363}
    4940
    {504}
    6970
    {711}
    JWH
    (ハイリードボールネジタイプ)
    H速度


    530
    {54}
    980
    {100}
    1510
    {154}
    2390
    {244}
    3130
    {320}
    3840
    {392}




    JWM
    (台形ネジタイプ)
    H速度
    99
    {10}
    200
    {21}
    380
    {39}
    710
    {73}
    1500
    {153}
    2270
    {232}
    3160
    {323}
    4320
    {441}
    6110
    {624}
    10100
    {1030}
    13900
    {1420}
    18000
    {1840}
    JWM
    (台形ネジタイプ)
    L速度
    63
    {6}
    120
    {13}
    220
    {23}
    420
    {44}
    820
    {85}
    1430
    {146}
    1950
    {200}
    2800
    {286}
    4400
    {449}
    6650
    {678}
    9390
    {958}
    13200
    {1350}
  • (3)運転中のジャッキで周囲温度を含んだジャッキ部の温度が-15~80℃の範囲であることをご確認ください。温度を測定される場合はジャッキ入力軸部の表面温度、またはトラベリングナット仕様の場合はトラベリングナットの表面温度をご確認ください。また、稼働部が完全に停止していることをご確認の上、実施してください。
  • (4)リニパワージャッキの許容入力回転速度は1800r/minですが、基本容量における最大入力回転速度以上の入力をされる場合には、JWB/JWHはこちらの、JWMはこちらのネジ軸速度(昇降速度)・許容荷重関連グラフをご確認の上、ご選定ください。
  • (5)連続運転はできません。ジャッキ単体でJWB(ボールネジタイプ)およびJWH(ハイリードボールネジタイプ)の負荷時間率は30%ED以内、JWM(台形ネジタイプ)の負荷時間率は20%ED以内です。負荷時間率は30分間を基準とし、30分あたりの運転時間の割合とします。

    負荷時間率(%ED) = 1サイクルの運転時間 1サイクルの運転時間 + 休止時間 ×100(%)

  • (6)同一軸線上に接続することができるジャッキの台数には、入力軸トルクによる制限がありますのでご注意ください。タイプの許容入力軸トルク(入力軸のみの許容トルク)によりご確認ください。
  • (7)駆動源の起動トルクは、必要トルクの200%以上を確保ください。
  • (8)氷点下でのご使用時には、グリースの粘性変化等により効率が下がりますので駆動源に余裕があることをご確認ください。
  • (9)JWM(台形ネジタイプ)は計算上セルフロック性を有していますが、振動・衝撃等によりセルフロックが効かない場合があります。このような場合はブレーキ装置が必要です。
    JWB(ボールネジタイプ)・JWH(ハイリードボールネジタイプ)は非常に効率がよいため、荷重保持には保持トルクを上回るブレーキ装置が必要です。
  • (10)ジャッキの使用環境は以下の通りです。
    使用場所 屋内で雨や水のかからない場所
    周囲の雰囲気 粉塵は一般工場程度
    使用温度範囲 -15~80°C(一般注意の第3項をご参照ください。)
    相対湿度 85%以下(結露のないこと)
  • (11)粉塵等が多い場合には、ジャバラを用いてネジ軸を保護してください。
    なお、ジャバラは防水仕様ではありませんので、外部からの水の浸入やジャッキ内部のグリースの外部への浸透を防止するものではありません。
    (屋外でご使用の場合は、カバー等を設置して、直接雨、風が当たらないようご配慮ください。)