技術資料 ケーブルベヤ - ケーブルベヤの選定 - ケーブルベヤ選定前の留意点

ケーブルベヤ選定前の留意点

ケーブル・ホースについて

ケーブル・ホースの種類

柔軟性に富み、繰返し屈曲性・耐摩耗性に優れた移動用のケーブル・ホースを使用してください。また、ワイヤーブレード被覆のものを使用すると、摺動によりケーブルベヤとワイヤーブレードの双方がいたみますので、使用しないでください。

ケーブル・ホースの許容屈曲半径

ケーブル・ホースの許容屈曲半径には、動く(繰返し屈曲する)場合の値を適用してください。ケーブル・ホースメーカーにご相談ください。
参考:以下を目安にしてください。

■ケーブルの場合
ケーブルの許容屈曲半径r≧ケーブルの外径×7.5* (*ケーブルのタイプにより異なります)

■ホースの場合
ホースの許容屈曲半径r≧ホースの外径×9* (*ホースのタイプにより異なります)
なお、「使用頻度が多い」「ケーブル・ホースの剛性が高い」「油圧ホース」の場合はさらに大きくしてください。

ケーブルベヤの屈曲半径

ケーブルベヤの屈曲半径は、ケーブル・ホースの許容屈曲半径よりも大きくしてください。なお、ケーブルベヤの屈曲半径をケーブル・ホースの許容屈曲半径よりも大きくする程、ケーブル・ホースの摩耗低減や装置全体の延命に寄与しますので、ケーブルベヤの屈曲半径にはできるだけ大きなものを選定してください。

ケーブルベヤの各種雰囲気に対する耐環境性

温度について

使用温度範囲は各商品ページをご参照ください。ただし、使用条件によっては寿命が短くなる場合があります。また、低温で水分の多い雰囲気では、凍結によりケーブルベヤが滑らかに屈曲しない場合があります。そのまま無理に運転するとケーブルベヤが破損するおそれがありますので、凍結部の水分を十分に除去してから運転してください。

水分・湿度について

通常、大気中雰囲気(屋外も含む)で使用可能です。ただし、水分が多い・湿度が高い・風雨にさらされるなどの雰囲気では、スチール製部品をステンレス製にすることを推奨します。

屋外設置(紫外線の影響)について

通常、屋外で使用可能です。ただし、「ケーブルベヤ プラシリーズ」では劣化が進行するため、使用条件・期間によっては寿命が短くなる場合があります。

ケーブルベヤの各種溶液に対する耐薬品性

ケーブルベヤを選定の際は、下表から材質の耐薬品性が充分であるかチェックしてください。

※この表は20℃における材料特性の程度を示したものであり、保証の程度をあらわしたものではありません。実際のご使用に際しては、温度・湿度・使用条件などを総合的に検討してください。

○:耐薬品性充分あり       △:使用条件により耐薬品性あり       ×:耐薬品性なし       -:不明
材質/溶媒 スチール ステンレス エンプラ
右記以外標準品 TKP-MW仕様・TKR形 TKQ形サイドバンド TKZP形
アセトン
油(植物・鉱物)
アルコール
アンモニア
塩化カルシウム水溶液 × -
塩化ナトリウム ×
塩酸(2%) × × × ×
海水 ×
過酸化水素 × × × ×
水酸化ナトリウム(10%) ×
ギ酸(10%) × × ×
クエン酸(10%) × ×
クロム酸(1%) × × × -
酢酸(5%) × ×
四塩化炭素
次亜塩素酸ソーダ(10%) × × × × ×
硝酸(5%) × × × ×
潤滑油 -
水酸化カリウム
石鹸水 -
石油 - - ×
ディーゼル油 - - ×
トルエン -
パラフィン - -
ベンゼン × ×
ヨード × × × × × ×
硫酸 × × × × ×
燐酸(10%) × × - × -
ワセリン - - -

注)エンプラとは当社ケーブルベヤに使用しているエンジニアリングプラスチック(略称:エンプラ)材料を意味しています。

ケーブルベヤ プラシリーズ 難燃性規格

当社ケーブルベヤ プラシリーズ(TKP形・TKR形・TKUA形・TKC形・TKMK形・TKMT形)の難燃性に関する特性については、プラスチック製品の耐燃焼性安全検査であるUL規格(Underwriters Laboratories Standards)に基づいた規格検査認証等級 UL規格:UL94HB相当のプラスチック材料を使用しています。