技術資料 直動機器 パワーシリンダ 取扱
保守:Tシリーズ・マルチ仕様
ボールネジの給脂
ボールネジはグリース潤滑であらかじめ塗布していますのでそのまま使用してください。グリースの補給は下表を目安にしてください。ボールネジの給脂は、外筒部の給脂口ボルトを外しロッドをフルストローク前進させ、グリースガンでネジ外周に塗布してください。
給脂サイクル
使用頻度 | 給脂サイクル |
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1001往復/日以上~ | 1ヵ月~3ヵ月毎 |
501~1000往復/日 | 3ヵ月~6ヵ月毎 |
101~500往復/日 | 6ヵ月~1年毎 |
~100往復/日以下 | 1年~1.5年毎 |
注)上表値は、より長く使用していただくための値であり、寿命を示す値ではありません。
給脂1回の総塗布量はストローク100mm当たり10~15g程度(T500~T4000)です。
推奨グリース(必ずEP(極圧)グリースをご使用ください。)
使用区分 | 会社名 | グリース名称 |
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ボールネジ | (株)椿本チエイン | JWGS100G |
出光興産(株) | ※ダフニーエポネックス SR No.2 | |
日本グリース(株) | ニグルーブ EP-2K | |
エクソンモービル・ジャパン(同) | モービラックス EPNo.2 | |
コスモ石油ルブリカンツ(株) | コスモグリースNEWダイナマックス EPNo.2 | |
シェルルブリカンツジャパン(株) | シェルアルバニヤ EPグリース2 |
※出荷時の封入グリースです。
注)JWGS100Gは、100g容器で別売しています。(こちらをご参照ください。)
*上記に記載の商品名は各社の商標または登録商標です。
リニパワージャッキやパワーシリンダのメンテナンスに最適!

形番:JWGS100G
減速部の給脂
減速部のギヤ、およびベアリングは、グリース潤滑であらかじめギヤケース中に充填していますので、特に給脂の必要はありません。
減速部初期封入グリース
- ギヤケース部:ダフニーエポネックスSR No.1

警告 |
給脂口には絶対指を入れないでください。 |
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据付時の注意事項(Tシリーズ・マルチ仕様)
- ・トラニオン金具の中心と先端金具取付部中心との心出しは十分に行ってください。特にシリンダの作動時、揺動により横荷重がシリンダに作用しないようにしてください。
- ・入力軸と駆動軸との連結にはカップリングをおすすめします。チェーンカップリング、ギヤカップリングおよびディスクカップリングなどのミスアライメントを吸収できるタイプのカップリングをご使用ください。
- ・駆動部やシリンダ同士との連結用のカップリングのフローティングシャフトが長い場合には、その回転により振動を起こす場合がありますので、ご注意ください。フローティングシャフトの剛性、カップリングのバックラッシも合わせて検討ください。
- ・先端金具の連結ピンにはグリースを塗布して取付けてください。
- ・全機種とも通常の屋外で使用できる全閉構造となっていますが、常時水や蒸気などのかかるような悪環境下や雪が積もるような場所は、屋外形といえども適当なカバーが必要です。周囲温度はご使用条件にもよりますが、通常-15~60℃の範囲内でご使用になれます。引火性雰囲気では、絶対使用しないでください。爆発・火災発生のおそれがあります。また、3Gを越える振動や衝撃がかかる場所でのご使用は避けてください。
- ・ミスト雰囲気でのご使用に関しては当社までお問合せください。
使用上の注意事項(Tシリーズ・マルチ仕様)
- ・ストロークの両エンド規制は、リミットスイッチにて行ってください。
パワーシリンダ本体にはリミットスイッチを取付けるタイプのオプションが選択できますので、ご利用ください。 - ・ストローク範囲内でご使用ください。 ストロークがオーバすると破損するおそれがあります。
- ・パワーシリンダマルチ仕様を高速でご使用の場合、惰行距離が長いためリミットスイッチをストライカが乗り越えてしまう可能性があります。このため制御回路上でリミット信号は必ず自己保持をとって運用ください。
- ・ロッドには推力に伴って回転力が生じますので、回転防止が必要です。定格推力時のロッド回転力は機種一覧に記載しております。先端部を接続しない状態で作動させる場合や滑車をつけてロープなどを引張る場合には、回り止め仕様のものも製作可能ですので、当社までご相談ください。
- ・Cタイプの推力検知用リミットスイッチの調整をお客様では絶対行わないでください。 推力検知の設定値が大きく異なるおそれがあります。