技術資料 直動機器 パワーシリンダ 据付・保守
据付時の注意事項:Fシリーズ
- ・パワーシリンダと相手装置の連結はピンを用いてください。ピンの位相(クレビス金具ピンと先端金具ピン)を合わせてください。
- ・クレビス金具穴と先端金具穴およびピンにグリースを塗布し、据付けを行ってください。
- ・据付け時にパワーシリンダに横荷重がかからないようにしてください。
- ・全機種とも通常の屋外で使用できる全閉構造となっていますが、常時水や蒸気などのかかるような悪環境下や雪が積もるような場所は、屋外形といえども適当なカバーが必要です。周囲温度はご使用条件にもよりますが、通常-5~40℃の範囲内でご使用になれます。40℃以上でご使用になる場合は、必ず断熱カバーなどで保護してください。引火性雰囲気では、絶対使用しないでください。爆発・火災発生のおそれがあります。また、1Gを超える振動や衝撃のかかる場所でのご使用は避けてください。
- ・本体は屋外仕様ですが、モータリード線端末部は防水コネクタなどで適当な防水処理を施してください。
使用上の注意事項:Fシリーズ
- ・負荷の大小によって速度・電流値が変化します。詳細は特性図をご参照ください。また、モータの特性上連動運転はできません。
- ・バッテリ電源を使用せず、交流を整流して使用する場合は、必ず平滑化し、電圧がドロップしない容量のDC電源をご用意ください。パワーシリンダの性能・ブラシの寿命に大きく影響します。
- ・DC12V仕様は10~14V、DC24V仕様は20~28Vの電圧範囲となります。DCモータの特性上、電圧変動する場合は速度が変動しますので、ご注意ください。
- ・Fシリーズには過負荷検知機構を内蔵していません。過負荷を検知する場合はオプションの過負荷検知ユニットを併用してください。LPF010~040については、過負荷検知ユニットとの併用で当て止め停止が可能です。 (LPF100~600は特殊品にて過負荷検知ユニットの製作は可能ですが、当て止めはできません。) 当て止め停止を行う場合、装置に十分な強度(定格推力×300%以上)を持たせてください。過負荷検知ユニットを使用されない場合は、パワーシリンダが破損するおそれがありますので絶対に当て止めは行わず、ストローク範囲内でご使用ください。
- ・ストローク50mmの機種には、ストローク調整外部LS(別途オプション品)は取付きません。ストローク調整外部LS(別途オプション品)の機械的ストローク調整範囲は60mm以上です。ただし、惰行距離は含んでいませんので、ご注意ください。
- ・パワーシリンダのロッドは推力に伴って回転力が生じますので、回転防止が必要です。ロッドの回転力は、下表の通りです。
形式 LPF010H LPF020M LPF040L LPF100H LPF200M LPF300L LPF600L ロッド回転力
N・m{kgf・m}0.14{0.014} 0.28{0.029} 0.55{0.056} 1.75{0.179} 3.50{0.357} 5.25{0.536} 5.81{0.593} - ・リミットスイッチの位置調節は、シリンダ惰行量を見込んで設定ください。
惰行距離の参考値
単位:mm 形番 負荷上昇時惰行距離 負荷下降時惰行距離 LPF010H 4 7 LPF020M 2 4 LPF040L 1 3 - ・シリンダの惰行量を小さくしたい場合はダイナミックブレーキがかかる回路をお奨めします。
ダイナミックブレーキにより、惰行量はおよそ1mmになります。(全機種) - ・短ストロークの場合、LSカムがマイクロスイッチを乗り越える可能性があるため、ダイナミック回路でお使いください。
保守・点検時の注意事項(Fシリーズ)
- ・作動部・減速部にはグリースを塗布して納入していますので、グリースアップの必要はありません。
- ・寿命目安は15000往復です。
- ・構造上修理対応及び部品供給は、対応していません。上記、寿命目安を超えた際には、本体を新品と交換してください。