技術資料 カップリング 取扱

パワーリジッドカップリング EPRシリーズ 取扱

取付

軸表面やボディ内周をきれいに拭き、各部品にオイルを薄く塗ってください。

1. 取付軸径公差

パワーリジッドカップリングを取付ける軸径の公差は、下表の通りとしてください。

取付軸径 Φ35 Φ35以外
推奨公差
+0.010
-0.010
h6またはh7

Φ35はサーボモータの軸径で、公差が(+0.01~0)となっています。
従って、カップリングの穴公差もそれに合わせています。
ボールネジ軸径がΦ35の場合でも両方の穴径公差は同じですのでご注意ください。

  • ・取付軸材の降伏点は343MPa{35kgf/mm2}以上(S45C相当以上)としてください。
  • ・軸の表面粗さはRa1.6以下としてください。

2. 心出し

  • (1) 片側軸にカップリングを取付け、アウタリングを手順に従い締込み固定してください。
  • (2) 他方の軸はアウタリングの締込みはしないままにしてください。この軸はカップリングの軸穴内を自由に回転できる状態です。
  • (3) ダイヤルゲージをベース(カップリングケース等)に固定し、各々の軸振れをチェックします。
    • 1. カップリングを締結した軸は、カップリングのボディの中央フランジ外周部にダイヤルゲージをあてます。
      この軸を回転させ振れを読み取り3/100以内にしてください。(図1)
    • 2. 次に他方の軸にダイヤルゲージをあてて、この軸を回転させ振れを読み取り3/100以内にしてください。
  • (4) ダイヤルゲージの振れが共に規格値内であることを確認して、他方のアウタリングを手順通りに締込んでください。
  • (5) 最後に本体のフランジの振れをダイヤルゲージで読み取り振れ3/100以内であることを確認してください。
推奨心出し精度
本体外周部ダイヤルゲージ
3/100mm以内
図1

図1

図2

図2

3. 加圧ボルトの締付け

加圧ボルトの締付けは、手で予備締めをしたあと、対角のボルトを徐々に増し締めしてください。(図3)

最後は、トルクレンチを使って規定の締付トルク16.7N・m{1.70kgf・m}で締込んでください。

この時、ボディ外径部にダイヤルゲージをあて、ゲージの振れをできるだけ0に近付けるように加圧ボルトを締付けてください。(図2)

またボディ外周のキリ穴に回り止めバーを差し込んで固定していただければ作業が容易になります。(図4)

4. 取外し

加圧ボルトをゆるめるとテーパロックの締付けが解除されます。もし固着状態の場合には、アウタリングの取外し用タップ(2カ所)に加圧ボルトを締めて、外すことができます。(図5)

5. 点検

取付後試運転を行い、振動、異音等の異常がないことを確認してください。また、加圧ボルトのゆるみ等がないかも確認してください。

6. メンテナンス

年に1~2回、取付状態の確認をしてください。もし異常が見つかれば速やかに対処してください。
図3,4,5