技術資料 減速機 ウォーム減速機 選定
選定に際して
効率
効率算出について
回転速度における効率を算出する場合は、下記計算式にて算出ください。
効率(%)= 出力トルク(N・m) × 入力回転速度(r/min) × 100 9550 × 入力kW × 減速比
※効率とは、負荷率100%、潤滑油は当社専用潤滑油を使用し、連続運転かつ油温が静定し、なじみの出た状態での効率であり、ギヤの理論効率および、想定されるベアリングおよびオイルシールの摺動抵抗、潤滑油の撹拌損失を差し引いたもの。
起動効率
昇降機やインバーター駆動などでご使用される場合、起動時の効率にて必要入力トルクを検討する必要があります。
起動効率については、一段減速用、もしくは高減速用を参照ください。トロイドライブTDシリーズは当社までお問合せください。
必要入力トルク(%)= 負荷トルク (起動効率 × 減速比)
モータ選定について
モータに対して過大な減速機を選定されますと、減速機自身の無負荷損失により定格電流値をオーバーする場合があります。
モータの容量は余裕を持った選定をしてください。
油温静定前の伝動能力について
製品ページに記載している伝動能力は、負荷率 100%で奨励油を使用し連続運転状態で油温が静定した状態での伝動能力を記載しています。
したがって冷間起動時や、起動停止の頻度が高く短時間運転で油温が上昇しない条件下における起動直後の効率では、潤滑油の流動性が低下し撹拌抵抗が増加しますので、効率が低下し、製品ページ記載の伝動能力を得られない場合があります。
大まかな目安として、下記を割り引いた能力にてご検討ください。
油温が静定しない状態での割引率(参考値)
減速比 | 割引率 |
---|---|
10 ~ 15 | -4% ~ -8% |
20 ~ 30 | -7% ~ -11% |
40 ~ 60 | -12% ~ -15% |
※高減速タイプの場合は当社までお問合せください。
セルフロックについて
減速機が出力軸から回されようとした場合に入力軸が回りださない効果をセルフロックと言い、また入力軸は回されるが出力軸に大きな力を必要とする効果をセルフロック性と言います。
これらはウォーム減速機特有の特性(性質)です。
ウォームパワードライブおよびトロイドライブでは、減速比1/60において静止状態でセルフロックが期待できますが、効率を追求した仕様となっていますので、従来品よりセルフロック性が若干低下しています。
セルフロックに関するご注意事項
昇降機や反転機などでセルフロックを期待される場合、セルフロック強化仕様(特殊品)の対応が可能ですのでお問合せください。
- (1) セルフロックは、衝撃や振動が加わるとその効果が低下することもあります。セルフロックは保証できるものではありませんので、確実な停止または保持が必要な場合には必ず保持装置を別に設けてください。
- (2) 負荷慣性が非常に大きい用途(走行・旋回装置等)では、セルフロックおよびセルフロック性により急制動が起こり非常に危険です。このような用途には減速比1/10~1/20を選定ください。
サーボモータが入力の場合について
サーボモータが入力の場合は、減速機の各入力回転速度の入力容量(kW)の範囲でご使用できます。
また、できるかぎり、加減速時のスロースタート、スローダウンを考慮願います。
1750r/min を超える入力回転速度でご使用の場合は当社へお問合せください。また、3000r/min までの入力回転速度に対応できます『サーボモータ用減速機 TERVO®』を用意しております。