技術資料 減速機 マイタ・ベベルギヤボックス 取扱

ここでは、取扱に関する一般事項について記載しています。

詳細につきましては、製品に添付しています取扱説明書をご覧ください。

3. 潤滑

3-1. はじめに

出荷時に、ED2、4は日本グリースのニグタイトLMS No.000を、ED6~25はシェルルブリカンツジャパンのシェルオマラS2G150を、ARAギヤボックスはグリース(EMGルブリカンツ モービラックスEP0)を封入していますので、そのままご使用ください。

ただし、ED6以上は取付け完了後、必ずオイルゲージで油面を確認ください。オイルゲージで油面が確認できない場合は確認できるまで同銘柄の潤滑油を補給してください。

※ラテラル軸回転速度が200r/min未満の場合、または周囲温度が35℃~50℃にて使用する場合は、封入の潤滑油仕様では使用できません。潤滑油の変更が必要となります。推奨潤滑油表(下記表1)を参照いただき、該当する潤滑油に変更してください。 (ED2、4、ARA はそのままご使用ください。)

3-2. 潤滑油の交換

  • ・ED2、4はグリース潤滑により基本的に潤滑油の交換は不要です。ただし、20000時間を目安に交換していただきますと、より長持ちさせることができます。交換時は上記3-1記載のグリースをED2は約150g、ED4は約350g封入してください。
  • ・ED6~25は1回目、使用開始から500時間後に新しい油と交換してください。これは各部のなじみによる初期摩耗粉などを洗浄するためで以後の性能、寿命に良い結果を与えます。
    2回目以降は運転条件により2500時間、または6ヵ月のいずれか早い時期を目安に交換してください。 (ただし、高温状態での長時間運転や高温の雰囲気、湿気や腐食性ガスのある環境で使用される場合には油の交換を早めにする必要があります。)
  • ・推奨潤滑油は下の表1より回転速度と周囲温度を参考に選択してください。
  • ・ARAギヤボックスはグリース潤滑により基本的に潤滑油の交換は不要です。
  • ・強制給油仕様の場合は、専用の取扱説明書を参照ください。

表1 推奨潤滑油

ラテラル軸
回転速度
r/min
メーカ名 周囲温度
-10℃ ~ 35℃ 35℃ ~ 50℃
1750

200
工業用ギヤ油2種 ISO VG150 ISO VG 220
シェルルブリカンツジャパン シェルオマラ S2 G 150 シェルオマラ S2 G 220
出光興産 ダフニースーパーギヤオイル 150 ダフニースーパーギヤオイル 220
EMGルブリカンツ モービルギヤ 600XP-150 モービルギヤ 600XP-220
コスモ石油ルブリカンツ コスモギヤオイル SE150 コスモギヤオイル SE220
ENEOS ボンノック TS150 ボンノック TS220
200未満 工業用ギヤ油2種 ISO VG 220 ISO VG 320
シェルルブリカンツジャパン シェルオマラ S2 G 220 シェルオマラ S2 G 320
出光興産 ダフニースーパーギヤオイル 220 ダフニースーパーギヤオイル 320
EMGルブリカンツ モービルギヤ 600XP-220 モービルギヤ 600XP-320
コスモ石油ルブリカンツ コスモギヤオイル SE220 コスモギヤオイル SE320
ENEOS ボンノック TS220 ボンノック TS320

表2 概略油量

単位:L
ED
6 7 8 10 12 16 20 25
ラテラル1軸タイプ 0.95 1.5 1.9 3.5 7 10 11 18
ラテラル2軸タイプ 1 1.6 2.1 3.7 7.4 - - -

3-3. グリースの補給(ED6以上の軸が垂直方向上向きの軸配置のもの)

  • ・オイルレベルより上にベアリングが位置する場合、油の飛沫だけでは充分に潤滑されませんので、このベアリング部には出荷時に下記のグリースを封入しています。
    EMGルブリカンツ モービラックス EP2
  • ・このベアリングには定期的(約1000時間毎)にグリースを補給する必要がありますので、取付形式の指定の位置の止め栓を付属のグリースニップルに付け変えて補給してください。
    注)グリースニップルはすべての軸配置のものに付属出荷しています。

表3 推奨グリース

メーカ名 銘柄
シェルルブリカンツジャパン アルバニア EP2
出光興産 ダフニーエポネックス SR2
EMGルブリカンツ モービラックス EP2
コスモ石油ルブリカンツ コスモダイナマックス No.2
ENEOS エピノックグリース AP2

表4 推奨グリース量

単位:g
ED
6 7 8 10 12 16 20 25
ラテラル軸 22 35 70 100 170 270 370 640
出ベアサポ I 3 7 12 17 20 55 90 150
出ベアサポ II 6 9 12 17 20 70 85 135

3-4. オイルシールの点検と取替

  • ・オイルシールにも摩耗、寿命があり、油漏れの原因になります。特に厳しい条件(高温、高回転、屋外などの条件の厳しい環境)でお使い頂く場合には、寿命が短くなる可能性が考えられます。定期的に点検し、油漏れがある場合には、オイルシールを速やかに交換してください。オイルシールを交換する際は、必ず同じ形番・材質のオイルシールをご使用ください。 (材質の異なるオイルシールのご使用は、油漏れの原因となります。) また、オイルシール交換時には、オイルシールメーカーのカタログを参考にしてください。
  • ・運転開始初期において、まれにオイルシールのリップ部から、組立時に充填された余分なグリースがにじみ出る場合がありますが、減速機の機能として問題はありません。