技術資料 大形コンベヤチェーン 取扱
4. チェーンの張りの調節
コンベヤを常に良好な状態で使用するために、テークアップを付けてください。
調整長さは、チェーンの1.5~2ピッチ位を目安とします。
なお、オフセットリンクを使用する方法(受注生産品)もありますが、一般には、経済性や、強さの面からお勧めしていません。
チェーンの張りは強くなり過ぎないように、適正なたるみを持たせておくことが必要です。
4.1 チェーンのたるみ
基本的なレイアウトでは、下図のように戻り側に少しのたるみ(δ)が必要です。
チェーンを張過ぎるとチェーンの摩耗が促進され、また、たるみ過ぎるとチェーンがスプロケットの歯に乗り上げて故障の原因となります。

チェーンのたるみ (δ) ≒ 0.1L
チェーンのたるみ

4.2 調節の頻度
チェーンは、当初のなじみまでの伸び(初期伸び)と運転後のピン~ブシュ間の摺動摩耗によって伸びます。
したがって常に適当なチェーンの張りを得るために、テークアップによって適宜調整を行う必要があります。
1日8時間運転とした場合の、チェーンの点検調整回数の目安は次表のとおりです。
長時間使用していますと、テークアップの点検が怠りがちとなり、チェーンにたるみが生じ、事故を誘発することになる場合がありますので、定期的に点検してください。
運転開始後1週間以内 | 毎日1回 |
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運転開始後1ヵ月以内 | 毎週2回 |
1ヵ月経過後 | 毎月2回 |
1日の運転時間が長い時は、点検の間隔を縮めてください。
4.3 調節の頻度
4.3.1 テークアップで調整しきれない時
テークアップを一杯に縮めても、なおチェーンに余分のたるみがある場合には、2リンクを取外して全長を短くします。
その要領は「切継ぎの要領」によります。
4.3.2 テークアップの調節は左右均等に
2条のチェーンに別個のテークアップが付いている場合は、調節ストロークが左右同量となるようにしてください。
そのためには、左右のチェーンの長さがほぼ揃っていることが前提となりますので、前もって左右のチェーンを部分的に入替えて長さを揃えてください。
連動テークアップ、あるいはバランス式テークアップなどではその必要はありません。
左右不均等に調節を行うと、チェーンのプレートとスプロケットの歯の側面が当り、無理な力がチェーンに作用する原因となります。
