技術資料 直動機器 パワーシリンダ 取扱

保守:Uシリーズ・マルチ仕様

ボールネジの給脂

ボールネジはグリース潤滑であらかじめ塗布していますのでそのまま使用してください。グリースの補給は表1・2を目安にしてください。ボールネジの給脂は、外筒部の給脂口ボルトを外しロッドをフルストローク前進させ、グリースガンでネジ外周に塗布し、ご使用ストロークの範囲を往復させてください。この動作を2~3回繰り返してください。

ボールネジの給脂

給脂1回の総塗布量はストローク100mm当たり10~15g程度(U6000)、30~35g程度(U8000~U32000)です。

警告

給脂口には絶対指を入れないでください。
指を入れた状態でシリンダが作動しますと指を負傷するおそれがあります。

表1 専用グリース

使用区分 ボールネジ
メーカ コスモ石油ルブリカンツ株式会社
グリース名称 コスモ モリブデン グリース スペシャルNo.2

※パワーシリンダUシリーズ専用グリースです。他のグリースを給脂されることはお避けください。

警告

専用グリース以外を給脂された場合シリンダ寿命が著しく低下します。

表2 給脂サイクル

使用頻度 給脂サイクル
1001往復/日以上~ 1ヵ月~3ヵ月毎
501~1000往復/日 3ヵ月~6ヵ月毎
101~500往復/日 6ヵ月~1年毎
~100往復/日以下 1年~1.5年毎

※上表値は、より長く使用していただくための値であり、寿命を示す値ではありません。

減速部の給脂

減速部のギヤ、およびベアリングは、グリース潤滑であらかじめギヤケース中に充填していますので、特に給脂の必要はありませんが点検窓または給脂口からグリースの劣化が確められる場合にはグリースを交換してください。

減速部初期封入グリース

  • ギヤケース部:ダフニーエポネックスSR No.1

点検箇所

点検箇所
警告

給脂口には絶対指を入れないでください。
指を入れた状態でシリンダが作動しますと指を負傷するおそれがあります。

据付時の注意事項(Uシリーズ・マルチ仕様)

  • ・トラニオン金具の中心と先端金具取付部中心との心出しは十分に行ってください。特にシリンダの作動時、揺動により横荷重がシリンダに作用しないようにしてください。
  • ・入力軸と駆動軸との連結にはカップリングをおすすめします。チェーンカップリング、ギヤカップリングおよびディスクカップリングなどのミスアライメントを吸収できるタイプのカップリングをご使用ください。
  • ・駆動部やシリンダ同士との連結用のカップリングのフローティングシャフトが長い場合には、その回転により振動を起こす場合がありますので、ご注意ください。フローティングシャフトの剛性、カップリングのバックラッシも合わせて検討ください。
  • ・全機種とも通常の屋外で使用できる全閉構造となっていますが、常時水や蒸気などのかかるような悪環境下や雪が積もるような場所は、屋外形といえども適当なカバーが必要です。周囲温度はご使用条件にもよりますが、通常-15~60℃の範囲内でご使用になれます。引火性雰囲気では、絶対使用しないでください。爆発・火災発生のおそれがあります。また、3Gを越える振動や衝撃がかかる場所でのご使用は避けてください。
  • ・ミスト雰囲気でのご使用に関しては当社までお問合せください。

使用上の注意事項(Uシリーズ・マルチ仕様)

  • ・ストロークの両エンド規制は、リミットスイッチにて行ってください。
    パワーシリンダ本体にはリミットスイッチを取付けるタイプのオプションが選択できますので、ご利用ください。
  • ・ストローク範囲内でご使用ください。 ストロークがオーバすると破損するおそれがあります。
  • ・パワーシリンダマルチ仕様を高速でご使用の場合、惰行距離が長いためリミットスイッチをストライカが乗り越えてしまう可能性があります。このため制御回路上でリミット信号は必ず自己保持をとって運用ください。
  • ・ロッドには推力に伴って回転力が生じますので、回転防止が必要です。定格推力時のロッド回転力は機種一覧に記載しております。先端部を接続しない状態で作動させる場合や滑車をつけてロープなどを引張る場合には、回り止め仕様のものも製作可能ですので、当社までご相談ください。
  • ・Cタイプの推力検知用リミットスイッチの調整をお客様では絶対行わないでください。 推力検知の設定値が大きく異なるおそれがあります。