技術資料 高速リフタ ジップマスタ 取扱
運転・点検手順
ここでは、ジップマスタに関する一般的取扱いについて記載しています。
詳細につきましては、製品に同梱しています取扱説明書をご参照ください。
運転
- ・ジップマスタは、許容荷重、許容オーバハングロードおよび許容昇降速度を必ず守ってお使いください。これを超えると本体が破損したり、搬送物が落下するなどの恐れがあります。
- ・いかなる場合でも惰走も含めてストロークを逸脱する範囲では絶対に使用しないでください。逸脱すると装置が破損する恐れがあります。リフタには、いかなるときでも衝撃を与えないでください。
- ・ジップチェーン、可動部、検出部などには、粉塵や切粉などの異物が付着もしくは混入しないようにしてください。これらは摩耗を促進し、チェーンの破断や、可動部の破損など重大な事故に繋がります。リフタ本体に異物が侵入しないように必ず対策してください。さらにリフタの周囲に安全柵を設け、上面フレーム下の空間に立ち入ることができないようにしてください。
- ・停止時には負荷が落下しないよう、必ずモータの保持ブレーキが作動するようにシーケンス回路を設計してください。
- ・いかなる場合も当て止めは、行わないでください。当て止めを行いますと製品内部に重大な損傷を起こす恐れがあります。
- ・装置は高温となる箇所があります。手や体を触れないようにご注意ください。やけどの恐れがあります。
- ・異常が発生した場合は直ちに運転を停止してください。感電、けが、火災の恐れがあります。
点検手順
1. カバーの取外し
上下限センサの位置変更およびジップチェーンへの給脂の際にはカバーR、ガイドへの給脂の際にはカバーLの取外しが必要です。
カバー取外しの際には、取付ビス(十字穴付きナベ小ネジ M6×12)を外してからカバーを取外してください。
2. ジップチェーンの点検(1ヵ月毎)
- (1)搬送物を取り除いてください。
- (2)落下防止措置を実施し、昇降部の落下が起こらないようにしてください。
- (3)ジップチェーン全長で、以下のことを確認してください。
- ・プレート間から酸化摩耗粉(赤茶色)が出ていないか
- ・チェーンローラ外周に酸化摩耗粉(赤茶色)が出ていないか
上記の場合は、直ぐに給脂してください。 - ・チェーンローラが割れていないか
- ・チェーンローラを触診し、摩耗による大きな荒れがないか
上記のいずれかがある場合、使用を中止し当社へご連絡ください。

3. 給脂
本製品の給脂の詳細については下表をご参照ください。
使用区分 | 給脂量 | 推奨油脂名称 | 給脂サイクル | |
---|---|---|---|---|
ジップチェーン | ストローク100mmあたり10~15g | 高荷重用グリース1種2号相当品 シェルアルバニヤEP2 [シェルルブリカンツジャパン(株)] |
3ヵ月または 10万往復毎 |
|
リニアガイド | ZMEL0200U ZMEL0500H |
ブロック1個当り4.5~6.5g(約4.6cc) | ||
ZMEL1000M | ブロック1個当り9.0~13.5g(約9.8cc) |
(ジップチェーンの給脂)
ジップチェーンの給脂は以下の手順で行ってください。
- [1]上面フレーム上の全ての搬送物を取り除いてください。
- [2]落下防止措置を実施し、昇降部の落下が絶対起こらないようにしてください。
- [3]右図のとおり、露出している全てのローラに給脂してください。
(ガイド部の給脂)
グリースニップルから規定量のグリースを給脂します。
給脂後は慣らし運転を実施し、余分なグリースは除去してから運転を開始してください。
