技術資料 減速機 ウォーム減速機TERUS 選定

選定に際して

油温静定前の伝動能力について

製品ページに記載している伝動能力は、負荷率 100%で奨励油を使用し連続運転状態で油温が静定した状態での伝動能力を記載しています。

したがって冷間起動時や、起動停止の頻度が高く短時間運転で油温が上昇しない条件下における起動直後の効率では、潤滑油の流動性が低下し撹拌抵抗が増加しますので、効率が低下し、製品ページ記載の伝動能力を得られない場合があります。

大まかな目安として、下記を割り引いた能力にてご検討ください。

油温が静定しない状態での割引率(参考値)

ウォーム減速比 割引率
10 ~ 15 -2% ~ -4%
20 ~ 30 -3% ~ -6%
40 ~ 60 -6% ~ -8%

※特性表のTERUS組み合わせのウォーム減速比を参照ください。

セルフロックについて

セルフロックについて 減速機が出力軸から回されようとした場合に入力軸が回りださない効果をセルフロックと言い、また入力軸は回されるが出力軸に大きな力を必要とする効果をセルフロック性と言います。

これらはウォーム減速機特有の特性(性質)です。これらの効果はウォームギヤのリードアングル(進み角)と歯面の状態、潤滑油により決定されます。

当社標準仕様のEWJGM・EWGM(R)・SWJGM(R)・SWGM(R)・TDGM(R)シリーズでは、減速比が1/60であれば、静止状態においてセルフロックが期待できます。

※セルフロックおよびセルフロック性の注意点

  • (1)セルフロックは、衝撃や振動が加わるとその効果が低下することもあります。
    セルフロックは保証できるものではありませんので、確実な停止または保持が必要な場合には必ずブレーキ等の保持装置を別に設けてください。
  • (2)負荷慣性が非常に大きい用途(走行・旋回装置等)では、セルフロックおよびセルフロック性により急制動が起こり非常に危険です。このような用途には減速比1/10~1/20を選定ください。