技術資料 小形コンベヤチェーン チェーンの種類と使い分け・構造
小形コンベヤチェーンは大きく分けてアタッチメント付RS形チェーンとバイピッチがありそれぞれの特徴に応じた使い分けができます。
アタッチメント付RS®形チェーンとバイピッチ®
アタッチメント付RS®形チェーン
- ・屈曲が滑らかで搬送速度を速くできます。
- ・RS形標準スプロケットが使用できコンパクトな設計が可能です。
- ・比較的精度が高いです。
バイピッチ®
- ・搬送効率が高く、大きな荷重にも耐えるRローラを取りつけることができます。
- ・アタッチメントの幅が広く、穴の数を選ぶことができます。
- ・メーター当りのリンク数が、バイピッチなので半分になり、長さ当りのリンク数が減るため価格が安いです。
アタッチメント付RS®形チェーンの構造
チェーン本体はピン、ブシュ、ローラ、内・外プレートの5部品で構成されます。
基本的な構造はドライブチェーンと一緒です。
| アタッチメント付RS形構造の特長 | |
|---|---|
| ローラ | ・Sローラのみです。 |
| 内・外プレート | ・RS形の8の字形です。 |
| スプロケット | ・ほとんどの場合でRS標準スプロケットが使用できます。 |
バイピッチ®の構造
チェーン本体はピン、ブシュ、ローラ、内・外プレートの5部品で構成されます。
基本的な構造はドライブチェーンと一緒です。
| バイピッチ構造の特長 | |
|---|---|
| ローラ | ・SローラとRローラがあります。 |
| 内・外プレート | ・RS形の2倍のピッチでフラット形状です。 |
| スプロケット | ・Rローラは専用スプロケットが必要です。 ・Sローラは30歯以上でRS標準スプロケットが使用できます。 |
Sローラ
Rローラ
RローラとSローラの使い分け
バイピッチはRローラとSローラの2種類のローラが選択可能です。
| チェーン 重量 |
ローラ 許容負荷 |
ローラ摩耗 | ローラ回転時の 摩擦係数 |
所用動力 | 機長 | チェーン速度 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
Rローラ
|
大 (1.5) |
大 (5) |
小 | 小 (1) |
小 | 10m 以上 | 20m/min 以上 |
Sローラ
|
小 (1) |
小 (1) |
大 | 大 (1.8) |
大 | 10m 以下 | 20m/min 以下 |
Rローラは許容負荷が大きく、摩擦抵抗が低い特長があります。
またローラ外径がプレート幅より大きいです。
Sローラはスプロケットの噛み合い時に衝撃や摩耗を緩和する効果があります。
またRローラと比べ走行抵抗は大きくなりますが、軽量化が図れます。
ローラ外径はプレート幅より小さいです。

